満足度★★★★★
小野絢子のダンスと演技を堪能
21日午後、新国立劇場バレエ公演『こうもり』初日を観に行った。このバレエは、ヨハン・シュトラウスが作ったオペレッタをダグラス・ガムレイがバレエ用に編曲にしたものにローラン・プティあ振り付けした作品である。初日の配役は、以下の通り。
ベラ 小野絢子
ヨハン エルマン・コルネホ
ウルリック 福岡雄大
以上3名はプログラムに名前と写真が明示されたもの。
この他の出演者であるメイド・グランカフェのギャルソン・フレンチカンカンの踊り子・チャルダッシュ・警察署長に関しては、入場直後に手渡された配役表に出演日不明記で記載されたいた。どうやらプログラムの作成時には配役が決めかねられていたものと拝察。出演者にも観客にも配慮の足りない公演?のような先入観が頭のなかを過ぎった。
さて、肝心の舞台であるが、この作品の振付には芝居的な要素やコミカルな踊りなどがふんだんに取り入れられていて、ダンサーのダンス力の他に演技力も試される。そうした面を総合して観た限り、主役ベラを演じた小野絢子とウルリックの福岡雄大の出来は素晴らしいものであった。ヨハンを演じたコルネホも頑張っていたが、舞台後半での演技が少々雑になった印象。まぁ、これはこの作品自体、後半が雑な編曲と振付がなされているように思える点から、ダンサーにとっては損な役だったかもしれない。
とはいえ、常にこまめな動きを求められるソリスト陣は、総じて及第点を与えて良いと思う。
また、フレンチカンカンやチャルダッシュは新国立劇場のダンサー達が粒ぞろいであることを観衆に見せつけた点で、高く評価したい。
少々簡素化し過ぎのような舞台装置と、軽く流したような音楽(アレッサンドロ・フェラーリ指揮東京フィル)には若干の不満はあるのだが・・・・
次回の新国立劇場バレエ公演『白鳥の湖』は、千秋楽を鑑賞の予定。久しぶりに長田の踊りを楽しみたい。