満足度★★★★★
完成度が大幅アップ
物語的には学園青春ラブコメ系で始めてやがて戦争や国家間理解に言及、芝居的には年長トリオが土台&2本の柱となって作ったしっかりした枠の中で若手が伸び伸び演ずるという、両面での手堅い構造が見事。
それに冒頭部分を筆頭とした特徴的な台詞回しや白塗りメイク、G蝕K劇団のそれをカラフルにしたような装置など昭和ド真ん中のアングラ芝居を想起させる様式美が加わり、完成度が大幅アップと言おうか洗練されたと言おうか。
一方で初めてここを観た時の「アタシのアンテナ終末論」(12年12月:第2回公演)のような爆発的なモノを含んだ混沌と爆音が懐かしいような気がしないでもない。
なので今後は今回のような幅広い層にウケそうな広角打法的なものをメインに、コアなファン向けの(笑)騒がしいものを番外的に上演というのがイイな。
あるいは公演期間中の1ステージか2ステージを“爆音・混沌バージョン”で上演するとか。(半分真顔)
なお、落としどころには理想論的な甘さがあるが現実がキナ臭い昨今、虚構世界くらいは綺麗にまとまって欲しいし、幕切れにはハリウッド製娯楽アクション映画か日本映画全盛期の娯楽時代劇のような爽快感があるのでよしとしよう。
あと、歌詞や一部の台詞を投影する字幕も格段に見やすくなっていたのも良かったし、手前両脇の騙し絵的な階段も好み。
さて、これだけのモノを見せていただくと、次回はかなりハードルが上がるが、果たして…?