満足度★★★
つかイズムは何処へ。
Dを見ました。面白かったです。研究生卒業公演としては、十分のレベルだったと思います。劇団員、研修生ともにとても頑張ったいました。
ただ、自分としては、つかこうへい先生が亡くなったことを実感せざるを得ませんでした。先生の残された脚本ですから、面白いのは当たり前です。『売春捜査官』は、地域の違いによる格差、在日朝鮮人の問題、マイノリティの生きづらさ、そして男と女の愛…と多くのテーマを持った作品です。自分はつか先生の演出したものを数本見させてもらいました。そこには、面白さは当然として、見終わったときに、これらのテーマの何かが、胸に突き刺さって痛みを覚えたものです。
研修生卒業公演ですから、そこまで求めてはいけないのかもしれませんが、つか先生が亡くなったことをあらためて淋しく思い、舞台に散った花ビラの香りとともに涙を禁じえませんでした。