満足度★★★★★
なのにエンタメ
奔放な母親の行動に振り回され続ける家族の思いがぶつかり合う
重苦しい展開なのに、どこか天井の穴から青空が見えるような
一筋の楽観主義が救いとなっている。
ひとつにはぶっ飛んだ母親のキャラによるところが大きいと思う。
このとんでもない母親が子どもたちに伝えることが出来るのは、
ただひとつ“赦す”ことである。
自分も人も、全て赦せば幸せになれるという、自己中心的で
究極の幸福論のままに生きる母親と
彼女を取り巻く登場人物のキャラがくっきりしていて説得力があった。
クールな弁護士の言動が爽快感を呼び、全体のバランスを上手くとっている。
「荒野1/7」に続く家族の物語は、緊張感の途切れない、
それいて思わず吹き出すような“抜け”もある台詞が素晴らしく、
泥沼家族をエンタメにする手腕が秀逸。