満足度★★★★
それほど期待せず観に行ったものの
2015年2月というタイムリーさからか、いや、より強度を増した役者勢の熱演からか、表現されているものをやや掴み損ねた感のある初演時とは比べ物にならないくらい作品に惹かれ、歴史のなかで容易にすりつぶされてしまうところの「普通の人々」に思いを馳せる、そんな135分。
再演ってことであまり期待してなかったものの、これは観てよかった、っていう芝居だったことは確か。
ただ、役者のつくりだした盛り上がりを音楽が足引っ張ってるんじゃ?っていうのは初演時も思ったけど、今回の再演、役者陣のアンサンブルが魅力的なモノになってる分、余計に椎名林檎の音楽の不要さが際立ってしまっていたような印象。
特にラストでの深津演じる苺イチエの歌の流し方には疑問。
最近の野田地図、エッグ→MIWAと終盤の大事なシーンに録音テープで歌を流すのが続いてるけど、正直野田秀樹の芝居とかなり食い合わせが悪いように感じる、ってか言っちゃなんだけど観てて萎える。
なんだろう、「あらかじめ録音されてる言葉」が「予定通り」流れてる感じが気に入らないのかも。