満足度★
こういう形のものでしか食べていけない演劇というコンテンツ
私は途中で席を立った数少ない「観客」の一人だと思います。作品内容がどうこうという問題ではありません、このような形で上演するように、このような形とはどのような形なのかと問われれば「ありそうに無い物で心を満たしていく、人生を満たしていく価値」について無頓着な人々が喜ぶような、、価値ありと言うような、そんな人々を観客と想定して上演を行わなくては生きていけない、金を稼げないという形でしか生きていけない劇団ajiを含む諸々の劇団を哀れと思っていますし、そのような、人に媚びるような人々を賞賛してしまう観客たちが、観客たちの観劇態度が、問題だと思わされた作品でした。彼らは利賀村のコンクールで賞をもらいましたが、人様に与えられることに頼りすぎて、コンクールの後にも関わらず、自分たちの基準ではなくて、人様の基準で喜ばれる物を作ることを、何か、プロ意識として与えられて縛られているのじゃないかと感じました。
ありそうに無い物で心を満たしていくことは、私たちが人間として生きていく為に必要なことであると感じています。ユニコーンという動物は、飼い馴らしのきかない、凶暴な動物であったのでノアの箱船に乗船を拒否されました。こりっちでよく見かける、あー楽しかったねーで簡単に終わる角の立たない、飼いならされた動物を好むような、そんなコメントに心痛めていますし、あなた方が芸術だ美だと、そういう言葉を好むのであれば、家畜の内に秘められた美しさを愛でるのは当然のこととしても、ユニコーンを締め出すようなことをすべきではありません。
あなた方が単純に、自分が金を出した分「楽しませてくれよな」などと傲慢な考え方を持っているのであれば、あなた方はなんと卑しいことか!!
劇団ajiはあのような演劇を作ることしか許されなかったのではないかと思いますが、私は1時間しか観ていないのでどこかで反抗があったのかもしれません。