満足度★★★★
贅沢すぎる無料公演
約2時間弱。予想を上回る面白さで幸福な観劇初めに。ギリシャ悲劇をもとにした1940年代の仏戯曲で、当時の独仏関係が背景にあることは衣装でも示される。十字路の舞台で長台詞をたっぷりと。
Aキャスト、Bキャスト両方を拝見。Aキャストが素晴らしかった!ドラマは何が起こるかわからない(事態好転の可能性がある)けれど、悲劇はサッパリとして、清々しくて、どっしりしていて、静か。そんな本物の悲劇があった。
主役の西岡未央さんの演技が特に良かった。言葉の表面的な意味を説明するのではなく、シンプルに目的に向かい、欲することを実行する演技。恐る恐る探ったりしない、ただそこに在って、命を燃やす存在。垂直に立ち上る火柱のような。