満足度★★★★
つかこうへいを彷彿とさせられた
くだらない設定の中(笑)、俳優達は熱く物語を紡いでいた。
40人近くの俳優達が、圧倒的な台詞量をたたみかけるように客席に浴びせ、舞台上を走り回り、踊り、そして歌う。
その迫力と疾走感は、むちゃくちゃ心地よかった。
先日、私がつかこうへいさんの芝居を観たばかりだから感じるのかも知れないのだが、彼らの芝居は「つか芝居」彷彿とさせる。
「生」のエンターテイメントの魅力を存分に味わった感じ(笑)。
スポンサーに依存しきった、現代のTVのビジネスモデルが衰退している中、「生」のエンターテイメントが持っている可能性は非常に高い。
柿喰う客の公演に足を運んでいる多くは、20代の若者。
目の前の俳優達が台詞を話し、汗をかき 涙を流す。そこには「生」だからこそ感じられる何かがある。「生」で感じられるその何かを求めて、20代の彼らは劇場に足を運んでいるのだと思う。
こうした若い世代が劇場に足を運んでいる現状は、この勢いを持ってパワフルな芝居を作り続ける劇団と、演劇の未来を期待させる。