海のてっぺん 公演情報 ワンツーワークス「海のてっぺん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    いつも新鮮な驚きが…
    ワンツーワークスの公演は、いつも優しく心を和ませてくれるとともに、社会性をチラッと垣間見せる。もしくは、その逆で社会性の中に人の喜怒哀楽を盛り込むという贅沢な芝居だ。今回はどちらかと言えば前者の部類に入るだろう。
    さて、舞台全体に建築途中の家が…見た目はこのまま続ければ本当に住めるのではないかと思わせる出来栄えであった。そして木の香漂うには、仕掛けがあった様だが…。
    説明文では、嫁・姑問題のようだが、本筋はもっと深く悲しい。そして現在の日本の姿が浮かび上がる、という秀逸な作品であった。

    ネタバレBOX

    2001年(阪神・淡路大震災から6年後)が時代背景。
    海が一望できる高台に「家」を建てる…そして 骨組みができあがりつつある、そんな建築現場に結婚を約束した二人が下見に来る。その現場で働く大工達との会話は笑いを誘う。一方、新婦になる女性は、実家が旅館を営んでいたが、震災で倒壊し働いていた仲居が皆亡くなったという辛く悲しい過去を持つ。
    この現場(実は、住宅は二世帯を前提に建築していた)と過去の旅館の情景をオーバーラップさせ、笑わせた分だけ余計に悲しさを倍加させる。だから心が揺さぶられ印象深い公演になった。
    当然、”海が見える”、というシチュエーションは東日本大震災を想起させていることだろう。見事な演出手腕である。
    木の香りの秘密を書くと興ざめするので、「ネタバレ」にも記載しないでおく。

    今後の公演も楽しみにしております。

    0

    2014/11/25 18:27

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大