満足度★★★★
あるモノが爆風とともに現れます
山本享さん目当てで、『トーキョー・スラム・エンジェルス』の初日に、青山円形劇場に伺いました。円形劇場は、10月の『御ゑん祭』以来、山本享さんの舞台は、7月の椿座さんの『廃墟の鯨』以来です。タイトルの通り、経済破綻した近未来の東京のスラム街で、変わらず働く男とその元妻で証券ウーマンとして成功した女が、行方不明になった息子を探してスラム街にやってきて、男と再開するところから物語は始まります。円形劇場をところ狭しと、ある物と共に男は現れます。仕事とは、お金とは、尺度(というよりモラルかな)とは何かをテーマに、二人と関係者の生き方を対比させて物語は展開します。背景は暗いお話ですが、男の変わらないという不器用な生き方が、とても清々しかったです。尚、観劇後は、あるモノがとても食べたくなります。