儚みのしつらえ 公演情報 TRASHMASTERS「儚みのしつらえ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    これぞ演劇!!!
    「戦争」という非日常の中
    「恋愛」という日常の中
    倫理観、精神の在り様、価値観…
    人間はそれとどう向き合っていて、どう行動しているのかを(勿論仮定ではあるが)我々に突き付け、問うた作品。
    演劇本来の目的意識に溢れ、安っぽい理屈(屁理屈)に攻撃をしかける必見の作品です。
    あまりの衝撃に2時間半ずっと緊張を強いられ、その後も深く意識から離れない作品です。
    出演者も、役者の役者たる表現を提示してくれます。

    ネタバレBOX

    高野和明著「ジェノサイト」の衝撃感と同様のパワーを真正面から受けます。
    戦争という倫理観を破壊する状況に置かれた人間の野生と、恋愛という或る種の強い欲望に支配された本能。
     何気ない日常を安穏と生きる我々にしても、そこに至る可能性とは背中合わせに生きている。
     その覚悟を問われる。
     9条を問われている現代の我々は、真摯にそれに向き合い、当事者意識を持って隣国やかの戦争国家との我が国の在り方を模索しているのか?
     現実逃避を孕んだ安直な平和主義の隠れ蓑に身を寄せ、結果すべてを回避するだけになっていないか?
     『戦争』と『恋愛』という硬軟両極にあると勝手に思われている2極の物語の提示によって、その中の狂気を描いてみせる作者のそれこそ『狂気』に満ちた、けれど冷静な語り口に圧倒される。

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    2014/11/10 10:27

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