アンサータン・ストーリーズ 公演情報 演劇ユニット「クロ・クロ」「アンサータン・ストーリーズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 消えつつある心象バイアス劇、復活!!!
    体力がある…



    演出家は「存在を信じる」ことの大切さを説ている。いわゆる唯心論だ。


    白昼夢をペンに_そんな能力を盾に、3本の連載を抱えている売れっ子ライト・ノベル作家・島津。彼の数日間を、様々なハサミで紋切りした設定だと思われる。

    観客は、例えば それを紹介するシーンにおいても「白昼夢」の疑惑を抱かざるをえない。

    作家の心にあたる「白昼夢」と役者が紡ぐ「現実」の物語。その色はパープルである。


    ・私が非常にカルチャー・ショックを受けた映画に『ミスター・ノバティ』がある。ハリウッドの金を湯水のように使った大作だが日本においてミニ・シアターでしか上映されなかった「公開お蔵入り作品」だ。アメリカの映画評論家もボロクソだった 。「全米は泣かなかった」のである。

    「白昼夢」に陥った老人が過去の少年時代から回想。だが、その「夢」が人生(現実)の選択肢ともなり、バイク事故死、放浪者、科学者等、何と次々に現実化。サイエンス・ファンタジーである。


    「唯心論」の世界に観客を導くも、視覚的には一応の「現実」となっており、やっぱり この点、『クロ・クロ』舞台はカルチャー・ショックの再来だった。

    ネタバレBOX

    主人公の島津を演じた役者。
    開演後、小説家の仕事場であるデスクに直行するのだが、「移動」という、たかだか数秒に数年分の生活が あった。


    「白昼夢」の小説家をイメージすると太宰治だろう。 ところが、島津が 大家さん 、旧友と交わす会話のレスポンスの速さには驚いた。 これは反射だ。「白昼夢」を文字化する商いの島津は、現代社会の、あるいは他者の、完全なる『鏡』だったのだ。



    ・おそらく、映画『桐島、部活やめたってよ。』のように、大学時代の親友は霧に覆われた方がミステリアスだったろう。実際、文芸サークルのシーンにおいても親友は顔を出さなかったわけであり、むしろ いっそのこと「秘密のベール」に包んだ方が観客の心に反響した可能性がある。

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    2014/10/21 01:00

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