まつろわぬ民 公演情報 風煉ダンス「まつろわぬ民」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    怨劇
    対絶ベシ観ル! 観なきゃ、わかんにゃいよ!(ちょっとだけ+)

    ネタバレBOX

     ゴミ屋敷の歌
    棄てられたことばを だれがひろう
    置き去りの昨日を だれがはじめる
    皺だらけのスナップ、あの日の笑顔、
    ひとひらの桜がきみを寿ぐ
    宇宙の塵までかきあつめ 袋につめて呼びかける
    終わるにはまだ早い 話を聞かせて
    果てしなく続く 夢のいとなみを
    見えないきみの 声が聞こえる
    忘れていた歌を また歌おう(劇中歌から引用)
     こんな歌を歌う老婆が、この塵邸の主人ということになっている。負けた者は埋められる。歴史の屑籠に。そして、忘れ去られる。だが、この老婆と一党は、忘れ去られることを拒否していた。彼らの戦いは必敗。しかし、だからといって彼らは、降参などしない。ただ、生き延びて、散り散りになってしまった仲間を集められるだけ集め、闘う。鬼の誇りを守る為、埋められ、忘れられて無かったことにされない為に。そして、千年前、再び戻ると誓った長、サンベを待つ。
     呪術としての演劇の姿がここに在る。この演劇は怨劇と名付けたい。無論、最高の褒め言葉である。
    評論家的な言辞を弄すれば、舞台美術の緻密で見事な猥雑さと演出の手際、生演奏と唄の上手さ、演技と踊りのコラボレーションの良さなどは、当然、最高度のレベルである。意図され、企画され、緻密に計算された演出によって、猥雑が表現されているのである。この快感は堪らない。

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    2014/10/12 09:28

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