どこをみている 公演情報 オイスターズ「どこをみている」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    劇団初見。現実味に乏しいキャラ付けがなされたある人物をどう見るかが評価の分かれ目?/70分弱
    熟年の作・演出家が色んな役でチョコチョコ出てくるほか、女優も一名登場するが、ベースは青年二名による会話劇。

    一方の青年に現実味を欠いたキャラ付けがなされているため、“よくあるシチュエーション”が“ありえないシチュエーション”へと化けていく本作は、一種の不条理劇と言えるだろう。

    この“実社会にはまずいないタイプの青年”が壁となり、劇世界にどっぷりとはハマれなかったが、テロップと音楽を効果的に使った演出などにより、最後までなんとかかんとか興味は持続。
    結末の切れ味も良く、それなりに楽しめた70分弱でした。

    ネタバレBOX

    二人の青年の一人である「男2」の受難の劇。

    大して親しくもない「男1」にひょんな事から付きまとわれる羽目になった「男2」は、その場しのぎの嘘をつき続けて「男1」をまこうとするが、ネガティブな嘘を真に受けて心配顔で付いて来る「男1」を振り切れず、最後、絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう。

    その場しのぎの嘘で相手をまこうとするのは“よくあるシチュエーション”だが、嘘の通じない相手に地の果てまで付きまとわれるのは“ありえないシチュエーション”であり、そこまで追ってくる人物もまた現実味に乏しく、ゆえに私は本作を「不条理劇」と呼んだ次第。

    常軌を逸した「男1」が「男2」の下手な嘘を真に受け続ける姿勢の裏に何か“深いワケ”があり、それが最後に明かされる展開なら、作品に“人間ドラマ”の趣が加わって、私はこの芝居をより楽しめたかもしれない。

    もちろん、「男1」が「男2」を信じ続けるワケが最後まで不明なところに本作の醍醐味を感じる方もおられようが、私はワケが明かされる結末を期待した。

    すでに述べた通り、現行の結末もこれはこれで良いのですが。

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    2014/10/05 00:45

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