満足度★★★
物足りない
ブレヒトの「第三帝国の恐怖と貧困(悲惨)」は、当初そのパロディ「第三定食と豆腐と蓮根」として上演される予定であったが、事情により変更したもの。
さて、本作は20世紀を代表する劇作家ブレヒトの記念碑的な大作であり、全編を上演すると4時間を超えるらしい。ナチス統制下における小市民の不安な日常を描いた情景のうち、「白墨の十字」「黒い靴」など10景を上演した。もともと色々な劇団で上演されるほど魅力のある作品だからストーリーは面白いが、演技でその面白さを現し切れなかったと思う。もっと言えば役者間の演技力に差があり、バランスを欠いていたと思う。
何気なく見逃してしまいそうな新制度の中に、将来を危惧させる重要な決め事が…どんな時代でも真を見誤らないよう心したいと思わせる芝居であった。
そして何より、無関心が将来に悪影響を及ぼすということを示唆しているようであった。
今後の公演に期待しております。