“秋の、死んで貰います祭り!!”地獄の3本同時上演!!! 公演情報 good morning N°5「“秋の、死んで貰います祭り!!”地獄の3本同時上演!!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    女は恋 男は遊び
     キャストは女性ばかりだ。秋の死んで貰います祭り!! で上演される三本の内の一本“愛欲の乱”を拝見。

    ネタバレBOX

    おもてなし精神というと叱られるかも知れないが、そういった精神が随所に溢れている。男性社会の中で従属的な位置に置かれることを拒む姿勢を示しているハズが、単にフリに終わっている所が、日本女性の弱さか? ヨーロッパの女性は、少なくとも、もうちょっと抵抗するよ! それが、女性にとって、ジェンダーのマトリックス内で、最終的にプラスになるか、ならないか、その辺りは、其々の地域の歴史や文化的、宗教的、知的、社会的背景によって違って来ようが。
     さて、本題に入ろう。中心になって演ずるのは、中年の女性達だが、長年女優を続けて来ただけあって、芸に磨きが掛かって居る者、歌の上手な者、役者根性で見せる者等々、各々の個性を知り、自分の強みを活かした舞台作りをしている点は流石である。
     同時に、女優として表現するとはどういうことか? 女性が社会の中で生きるということは、即ち演技することではないのか? との内外への突きつけは、物理的力では、男性より弱いのが通常の、力学的弱者の生き方を問う問題として、国家間の軍事力をも類推させるような指摘であり、現実存在であるハズの我々の当に、刻々向き合っている問題群の根幹に横たわる大問題として捉えるべきであろう。また、これも同時に、産む性として、女性実存としての恋に絡めて、赤い糸を永遠に吐き出し続け乍ら、縫い物を紡ぐメタファーは、カルマを実存との関係で射程に収めながら、あくまで現実問題として自分の生活に取り込んでいようとする。
     自分は、男だから、意識を狂気の没する所迄突き詰めるやり方の方が、好みではあるが、現実と虚構に、このように心配りの利いた橋渡しのできる女性という存在を頼もしくも思い、強いとも思う一方、可愛らしい、との感覚も抱く。
     もう一点、指摘しておくべきことは、今作を含め、三作全体が、単に、演劇のみならず、生きるとは何か? 種族を継承するとは何か? 本能で継承するにせよ、その意味とは何かを潜在的に問うていることにある。
     唯、余りフランクにそれを出して居ないから、星は一つ減じる。狡さだからだ。

    0

    2014/10/04 02:19

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大