満足度★★★★★
善悪の彼岸/約90分
軽めのタイトルとチラシからそういう作品をイメージしてたら、全然違った。
いや、“軽めの生活劇”みたいな手触りを持ちながら、描かれていることは身につまされてお釣りが来るくらい凄まじく、なんというのか、甘く見ていたホカロンで火傷を負わされたような印象。
人生には誰がどうしたところでどうにもならないことがある。
そのことをイヤっつーほど思い知らされる、ジリジリと胸を焦がされるような劇でした。
私の観た回は七、八分の入りでしたが、もっともっと多くの人に観られるべき作品。
きめ細やかな脚本と演出によって本作を作り上げた伊藤毅さん、一筋縄ではいかない人間の心の機微を精妙極まる演技で表現した役者の皆さんには頭が下がります。