宇宙船 公演情報 3.14ch「宇宙船」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    未知へと遭遇する過程で
    しっかりSFであり、人間というか生命のドラマでした。

    舞台美術がまず圧倒的。
    世界観に入るには、これ以上のものはないと思う。

    ネタバレBOX

    手塚治虫の『火の鳥 未来編』を思い出す。

    後半、主人公ミシマがたった一人になっても生き続ける場面。
    藤子・F・不二雄の短編でも、
    遠い宇宙の彼方へたった一人行く話とかあったけど、
    ずっと一人、孤独でいることへの得体の知れない不安を感じた。

    必ずどこかに誰かがいる場所にいた経験しかないから、
    ある意味、究極の環境ではないのかなと。

    それを受けて、
    かつては仲の良い友人でありながら、
    この「マンダラ号」に乗ってからは
    あまり上手くいかなかったアラノ、パンドラとのそれぞれの関係も
    コールドスリープで生き永らえた二人とミシマが再会し、
    別れがくるところはぐっときた。

    冒頭の旅立ちから、テロ(宇宙船内における革命)が起きて、
    その次の世代では下層(奴隷)階級の子孫が中心となるが、
    自由と平等を標榜するも生活や言語は退廃し、享楽的になる。

    ゆるやかな統制が必要か、と言わせるのは皮肉めいている。

    この場面では映画『26世紀青年』が思い浮かんだ。
    こちらは500年先の未来の地球をバカバカしく描いたコメディだけど
    下らなすぎるのにだんだん笑えなくなるというすごい作品。
    それにも通じるような気がした。

    A→Bの順で両方を観て、
    見た順番も関係するのだろうけど、
    1度目は衝撃が強く、2度目でより深く世界観を理解した。

    ミシマとヨニ・ニャンニャンにスポットが当たって
    過去のミシマと、かつて付き合っていたエスに
    切り替わるところは印象的で好きなシーン。

    佐藤拓之さんに圧倒された。
    Aでは主人公の友人アラノ、Bでは主人公ミシマ、
    対象的な役柄を見事に演じ分けられていて魅入った。

    Bバージョンの鵜沼ユカさんのヨニ・ニャンニャンは
    変化に富んでいて魅力的だった。

    山田宏平さんの存在感と凄さ、
    山森信太郎さんの安定感はさすが。

    鳴海由莉さん、愛らしい。
    松本みゆきさんは前に見た日本のラジオの時とはうって変わって
    大人の女性の魅力を感じた。

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    2014/09/26 08:03

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