非常の階段 公演情報 アマヤドリ「非常の階段」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    公演中なので
    全文ネタバレに書きます

    ネタバレBOX

    第一弾は、個人の悪と自由の物語だったが、第二弾の今作はスケールが拡がった感覚。個人ではなく社会組織(家族)が描かれている。自由が故に生まれる社会の歪(悪)。ストーリーの構造は分かりやすいものの、個別事象は深くてわからないこと多数。

    広田淳一は自由の反対は平等だと言う。自由社会のルールである法律は公平ではない。公平は相対的で、参加者全てがOKなら公平だが、これが大きな人間社会において公平の実現などあり得ない。難しい…自由社会の課題である不平等。

    構成者の多数の支持が得られれば悪は悪でなくなる。劇中、富の流動性を担保するにはオレオレ詐欺も決して社会悪ではないと言う。自由とは、悪とは。考えさせられる。本当に宿題が多くてよく出来ている。

    相変わらず舞台美術が洗練されている。影を演出するライティングには毎回痺れるが今作もカッコ良かった。最後には群舞もあり。第一弾のガッツリ会話劇も良かったが、なんとなく踊ってこそアマヤドリという感覚を満たしてくれた。

    今作は何んと言っても、主演を務めた渡邉圭介の好演が光った。”弱さ”を演じてのハマり具合が抜群。空気読んで自分を見失う。生きていけない。継続できない。生きている意味が分からない。という心の叫びが素晴らしかった。「非常の階段」は「非情の階段」だった。

    劇中に突然、出演者の素のトークらしき場面が挿入されるのだが、アレは一体どういったいどういった意図なのだろうか。正直言って必要ないと感じた。ラストの結構良いところで挿入されたため、気がそがれた。あれが無ければもっと心が騒ついたと思う。

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    2014/09/15 23:20

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