女優を観る楽しみが満載
加納幸和さんの品の良さが光った演出。何かヘンテコな山場などは作らないんですね。台本がしっかりしているからいいではないか!とそれだけで。見た直後はその良さに気がつかなかった。しかし、あとからじわりと来る舞台。王道なコメディ。正統な話。こういうお芝居は役者さんのものすごい集中力とアンサンブルの妙みたいなものが大切です。3人の女優も2人の男優もやはりプロの仕事。レベルは高いし、作品と俳優の良さを大切にする加納さんの演出も派手ではないけど見事なんです。こういうのって、実はヘタクソな著名な演出家っていますよね?
秋吉久美子さんの自由奔放さ、浅丘ルリ子さんがいろんなことを背負って演じ、渡辺えりさんがメチャクチャ可愛い。可愛いんです。天使だなあの方は!そういう素晴らしい女優3人のおかげで、男優二人はのびのびと美味しいところを取りまくり。
浅丘さんは帝国劇場で座長公演を何本もされた方だと思うと、9800円というチケ代も高くないと考えなくてはならないのか。これだけのキャストでガラガラの客席はやはりチケ代を受け入れてもらえなかったのか。劇場をPARCOでやったらもっと良かったのになと思いました。