満足度★★★
第三部鑑賞
納涼歌舞伎の名にふさわしい、夏祭りの光景を描いた舞踊と怪談物の2本立てでエンターテインメント性に富んでいて気楽に観ることが出来ました。
『勢獅子』
祭の御神酒所で曽我兄弟の仇討ちの物語や獅子舞を披露するレビューショウ的な趣向で、華やかな色彩と大らかな雰囲気が祭の賑やかな気分を盛り上げていました。
坂東三津五郎さんの愛嬌のある踊りが印象的でした。
『怪談乳房榎』
怪談と謳ってはいるものの殺された者が化けて出て来ること以外は怖さも無く、物語としてはあまり深みを感じませんでしたが、様々な趣向が凝らされた楽しい作品でした。クライマックスでは大量の本水を用い、その中で立ち回りが繰り広げられて爽快でした。終わり方が歌舞伎には珍しい構造となっていて興味深かったです。
ニューヨーク公演の為に追加された、場面転換中の幕前での英語による寸劇がユーモラスで、上手く場を繋いでいました。
中村勘九郎さんが主要な3つの役を演じていて、早替りで瞬時に異なる役に替わるのが見事でした。