小劇場!中高生!大往生!2 公演情報 花まる学習会王子小劇場「小劇場!中高生!大往生!2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    稽古期間はわずか3日!
    ワークショップの成果発表会というより、ワークショップそのものを見物している気分にさせられる公演。

    ワークショップを指揮し、公演の構成・演出も務めた悪い芝居の山崎さんは教え子たる制服姿の中高生がゲームや演技をする様子を舞台隅から笑顔で眺めているのみで、さすがに本番、舞台に出てきて指導まではしないのだが、まるで稽古のごとく自由闊達に演じさせる工夫を凝らしてあるため中高生の演技はとても初々しくスーパーナチュラル、それを見ている非番の中高生たちも超自然体で、出番の仲間たちの演技が可笑しけりゃあクスクスウヒャウヒャと素で笑い出す有り様で、それを見ているこの私、彼らくらいの子供がいてもおかしくない年齢のこの私も、それを見ながら保護者感覚で“つられ笑い”を始める始末。
    中高生の本物の保護者を含む他の多くのお客さんも私同様、頬を緩めて彼らを見ていて、会場内はそれはそれは幸福な空気に包まれていたのでした。


    …なんて書くといかにも発表会然としたユルい公演を想像されるかもしれませんが、構成は実によく練られていて、その構成の妙が味わえるだけでも演劇好きには楽しいのでは?

    公演を見世物として面白くすることはもちろん、演劇をやりたい中高生への教育的効果も考えてしつらえられたこの構成には唸らされました。

    ネタバレBOX

    “演じることによって自己を異化する視点を持たせる”
    今回のワークショップのプログラムはこれを一番の目的として組まれていたと思う。


    そのために山崎さんが中高生にやらせたことは、自分に近い人物から演じさせ、徐々に遠い人物を演じさせるというもの。
    その中間段階で演じられ、私的に一番面白く拝見したのが、個々の中高生の身の周りの名物教師を、その教師を知らない者が残りのみんなを生徒に見立てて演じるというもの。

    自分を教え導く教師という存在になりきり、自分が本来その一人であるところの「教え子」たちを相手に「授業」をする体験は別人を演じることと同時に自己を相対化することをも中高生たちに学ばせ、教育的効果大であると感じた。
    いや、その前に、教師役を演じた数名の中高生にはおそろしく芸達者な子が約二名いて、生徒役の子たちと作り上げる授業風景が単純に演し物として面白かった。


    数年後、何かの公演のフライヤーにその名前を見つけたらきっとオジサン嬉しくなるので、上のお2人をはじめとするワークショップ参加者の皆さん、近い将来本格的に役者の道を歩み出したら、できるだけ本名で活動してくださいね!!

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    2014/07/25 23:59

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