満足度★★★★
稽古期間はわずか3日!
ワークショップの成果発表会というより、ワークショップそのものを見物している気分にさせられる公演。
ワークショップを指揮し、公演の構成・演出も務めた悪い芝居の山崎さんは教え子たる制服姿の中高生がゲームや演技をする様子を舞台隅から笑顔で眺めているのみで、さすがに本番、舞台に出てきて指導まではしないのだが、まるで稽古のごとく自由闊達に演じさせる工夫を凝らしてあるため中高生の演技はとても初々しくスーパーナチュラル、それを見ている非番の中高生たちも超自然体で、出番の仲間たちの演技が可笑しけりゃあクスクスウヒャウヒャと素で笑い出す有り様で、それを見ているこの私、彼らくらいの子供がいてもおかしくない年齢のこの私も、それを見ながら保護者感覚で“つられ笑い”を始める始末。
中高生の本物の保護者を含む他の多くのお客さんも私同様、頬を緩めて彼らを見ていて、会場内はそれはそれは幸福な空気に包まれていたのでした。
…なんて書くといかにも発表会然としたユルい公演を想像されるかもしれませんが、構成は実によく練られていて、その構成の妙が味わえるだけでも演劇好きには楽しいのでは?
公演を見世物として面白くすることはもちろん、演劇をやりたい中高生への教育的効果も考えてしつらえられたこの構成には唸らされました。