グッド・バイ 公演情報 メイシアタープロデュース「グッド・バイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    予定外にリピート
    未完の作品のその先を書くものだと思っていたが
    それだけではなかった。
    山崎彬さんの解釈の面白さ。

    原稿用紙を模した床に水屋、箪笥、昭和の雰囲気の舞台美術。
    薄暗い照明にスモークが焚かれ昔の記憶を辿るような。
    この空間だけでもワクワクしていたのに
    あんなところが開くなんて。

    鉛筆を走らせる音…背を向けて座ってる男。時折酒を飲みながら何か書いている。
    この時の酒瓶の位置も好き。

    美術、衣装、音楽、照明、舞台効果のあらゆるものが
    とても好きな作品でした。

    正直、最初は何かわからぬものに圧倒されて
    何を観たのか?戸惑い混乱していた。

    けど知らぬ間に涙が流れていたのは初めての経験。








    ネタバレBOX

    1幕のほとんどは太宰の小説のままに。
    1幕終わりの永井キヌ子から津島修治へと変わっていく。
    その時点ではそれもわからず
    キヌ子が化粧を落としながら見えない何かと対峙するかのように独白していく姿を見ていると
    悲しいと感じていないのに涙が溢れて来た。
    勝手に泣いている自分。何かに突き動かされてる感覚。
    それが何なのか。わからないまま ただ、ただ 岡田あがさという役者を見つめ続けた。
    2回目行きたいと思ったのは
    確実にこの1幕終わりが観たいが為だった。

    2幕のはじまりも後ろ姿から。編集者の静子さんの家。
    こういう韻を踏むみたいな演出好き。

    森井さんが一人笑わしてた。大将好き。「やんねぇとカーニバルだよ。」


    あの居酒屋で太宰の女たちが集い笑いあっているのはカオスだっ。
    ここも好き。音も良かった。
    静子役の永津さんの座る姿勢の美しさと色っぽさが素敵。


    あの溝は子宮? 生まれ、還るところ。そう感じた。

    田島周二も太宰治も永井キヌ子も
    津島修治の道化?
    女にグッド・バイされ続けた津島修治は
    太宰治になり田島周二として永井キヌ子をも利用し女にグッド・バイしていった。
    奥さんにグッド・バイする時も太宰治だった。
    さっちゃんと心中する時は先に津島修治を殺した。自分の中で。
    そうしないとまた一人生き残ってしまうと思ったのだろうか。

    さっちゃんの最後の表情が辛かった。

    あの面白い『グッド・バイ』の未完の小説を読んで
    こんな作品に仕上げてしまう山崎彬という人に少し恐怖を感じると共にこれからがとても楽しみになった。

    久々に衝撃的な芝居を観れて満足している。

    本も良いのでしょうが役者のかっこ良さったらない。
    平林さんとあがささんの圧倒的な迫力は素晴らしかった。

    個人的には向田さん、永津さんが新発見の女優さん。これからも観たいと思った。

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    2014/07/09 12:27

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