弾ける演劇にも、「人生訓」がある
「画家」の「狂い」を めざましいスピード感で描く。
「芸術は爆発だ!」の岡本太郎氏にしろ、天才の代名詞・ピカソにしろ、名画『ひまわり』ゴッホにしろ、画家には「狂気」の評判が つきものだ。
その点、「E=mc2=…?」の「画家像」は明らかな古典派だろう。
直前に そごう美術館で開催中の『SIMON DOLL展』(四谷シモン展)を 観覧してきた。
日本を代表する人形造形家・四谷シモン氏の名の由来は BAR歌手から来ているらしい。60年代新宿。 「エネルギーの地」がコシノジュンコ氏、唐十郎氏らとの「人脈形成」に役立った。
球体関節人形には 天使と世俗物とをひとつの入れ物に混在させ、しかも個体として成立する までの「生命感」がある。腹部が「肉体標本化」した少年の目も、平然と青く透き通っている。=【解剖学の少年】1983年_
四谷シモン氏は90年代以降、「ナルシズム」(自己愛)を欠かせないテーマだと信奉し、自らの顔、肉体を模造したドールを製作した。=【ナルシシズム】1998年_
これだ。
世間の「画家像」も おそらく この「ナルシズム」に立脚しているように思う。
「男」が恋人や仲間、師匠、資産家という「孤立化した世間」に住み、どんどん「変貌」していく。実にセンセーションだ。隣の女性客は「はじめから 、すごい、世界」と劇評していた。
しかし、「男」が新聞記者へ大金を渡すシーンを境に、舞台形式もが「変貌」していった。