独り芝居『審判』 公演情報 多田直人案「独り芝居『審判』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    独り芝居の『審判』といえば…
    カトケンさんがライフワークとして何回も上演しているのが有名だとおもうが、重い話だと判っているので観たいとおもったことは無く。しかも翻訳物だし。
    なのに観に行ったのは、つまり演者が多田くんだからだ。
    独り芝居だし、すごい大作だし、彼にとっては大きな挑戦なはず。
    多田ファンとしては、こんな機会を見逃す手は無い。

    ネタバレBOX

    という訳で、観てきた。ら。
    …つかれた…。
    翻訳物にありがちな、不自然な語彙や言い回しがなかなかに難しく、言葉の意味を汲み取るだけで難儀したからもあるけれど。
    いやー、判ってたけどやっぱ重かったわー。
    あんなヘヴィなのを毎日…時には2ステの日も…。多田くん大丈夫かな。

    2時間10分の上演時間を最初から最後まで喋り尽くし。
    一度も捌けることなく、水も飲まず。
    ただ立って喋っているだけなのに、多田くんの額には汗が滲んでいた。
    いつもは飄々としていて、体温の低そうな、つかみどころのない多田くん。
    けれどヴァホフは坦々と、あるいはシニカルに、時に昂り、涙し…。
    週刊誌の安っぽい煽り文句などではない、本当の激白だった。

    はあ、すごかった。
    よくやったねと、素晴らしかったと称えたい。
    お芝居の内容自体は予想していた通り、というか予想よりも生々しさが勝っていたというか。
    きっとアタシ、何度か顔をしかめていただろうとおもう。
    それはそのまま、舞台上の「裁判にかけられるヴァホフ」と、客席の「傍聴人」にぴたりと嵌っていたのだろうなあ。
    客席がふわっと薄明るくなるシーンが何回かあったけれど、そんな時にお客さんはみな、どんな顔をしていただろう。ヴァホフにはどんな風に映っただろう。

    決して好きなタイプの作品ではなかったけれど、それでも観に行って良かったとおもう。もし観なかったとしたら激しく後悔するに違いない。
    でもう一回観るかと訊かれたら、無理だわ(^^;
    観る方も激しく消耗する芝居であった。

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    2014/06/13 03:01

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