満足度★★★★★
1年に1度の定番、だけど「必ず泣かせてくれる」味がある
2014/06/06(金)19:00回
東山光明さん×高垣 彩陽さん回を観賞。
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もう3年連続で観劇しているので、話の本筋は十分知っていて、
だからこそ序盤の笑いの場面から既に涙腺が緩みだしてしまいました
(パブロフの犬状態)。
でも、本筋以外の部分については、毎年いろいろ脚本を手直しされてるんですね。
物語自体の展開の仕方が「一昨年、去年と違うぞ!?」と、
本筋はきっと変わらない、と思いながらも
初めて聴く物語のように楽しむ事が出来ました。
きっとそれは脚本だけでなく、朗読劇を担当するペアそれぞれもまた
毎回異なるから、という事もあるのでしょう。
高垣彩陽さんは声優/アイドル活動以外にお芝居にも
結構力を入れているのをいくつかの舞台で把握はしていました。
また、その修練の賜物(あるいは声優自体=朗読劇のプロ?)
ともいえる良い演技をされていたと思います。
ただ、僕は東山光明さんに更なる良さを感じました。
最初、「私の頭の中の消しゴム」の男女ペアの男役を
少し笑いを取る為に「チャラく」演じられていたようで、
「今までにない形だけどどうかなー、物語のこれからの展開に合うかなー?」
と半信半疑でしたが、二人の馴れ初めから悲しい流れに展開していく中、
ハンカチで目をぬぐい、時に鼻まで垂らしての感情を込めての熱演ぶりには
観劇しているこちらも、もう主人公と同じ気持ちで
時に小さな事に喜び、
時に小さな(主人公にとっては決して小さくない)事に絶望し、
とまさに(自分が男だから、というのもありますが、男役の方に)
気持ちを引っ張り込まれてしまいました。
脚本も毎年の改変を経てなお「名作」であり続け、
そして、朗読劇の担当ペアそれぞれが変わるごとに
これまた違う「私の頭の中の消しゴム」を観せてくれる、
今回のペアも自分の中では最高の物語を魅せてくれました。
2014/06/08(日)12:00回
福山潤さん×山口紗弥加さん回観賞。
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徹夜仕事明け、3階席真ん中(舞台からはかなり遠い)などから
朗読劇が始まったと同時に泣くほどすぐに感情移入するような
事はなかったけれど、毎年ながら福山潤さんの素に近い口調による
お芝居は観客の感情をひっぱるのがとてもうまいと思いました。
楽しい序盤から悲しみの後半、そして最後まで、
3階とはいえ真ん中席だったおかげもあるのかあるいは
(特に福山さんの)発声が良かった為か声がすごく良く聞き取れた事もあり
(前回ペアの観賞では1階間近席のわりに一部セリフが判別できず)、
眠気などすぐ覚めて素直に泣けてきて福山さんのお芝居の盛り上がりに
合わせて(自分では号泣レベルの)ハンカチが必要なくらいに涙が出た。
来年も福山さんに「私の頭の中の消しゴム」やってほしいなあ( ´ー`)
2014/06/08(日)17:00
田代万里生さん×沢城みゆきさん回観賞。
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はっきりいって残念。
田代さん、沢城さんとも個々には本読みしっかりして
役づくりしてきたものと思われます(一番感情の起伏などセリフに生かしてたかと)。
本作はお互いがそれぞれの日記を読む形での掛け合い、
キャッチボールをする形で物語が進むのですが、
2人とも個々にはしっかりしているのに、
なぜか2人が組み合わされるとちぐはぐな印象を受けました(前半すごく)。
沢城さんパート→田代さんパート→沢城さんパート→・・・
でお互いの「読み(会話)」のテンポその他が噛み合っていない感じ。
もしかしたらですが、2人一緒に合わせの稽古をする
機会がほぼなかったのでしょうか?
通常の会話劇なら(沢城さんなど特に)即興でもうまく
会話のキャッチボールをこなすと思いますが、
本作のちょっと変わった特徴(ある程度長文を含んだ日記を読む)が入った時、
交互にそれを行った時お互いの「読み(会話)」について
その違和感が顕著にあらわれていたような気がします。
せっかくの1階ど真ん中の視野的/距離的に良席だった割に、
(それぞれが別のお芝居をしているかのような違和感のせいで)
自分は2人のいずれの演技にも感情を引きこまれませんでした。
しかし、中盤以降シリアスになっていくにつれ、
お2人とも(多分)前もって作っておいた「役」になりきり
(特に沢城さんは自分の声優としての芸幅/声幅も活かし)、
2人の「読み(会話)」もかみ合ってきて、最後には涙を誘われました。
沢城さんの朗読劇でよく「揃っての稽古があまり出来なかった」という
感想を聞きますが、それでうまく行った舞台はともかく
ちょっと今回は「もう少し2人で『合わせ』の稽古ができなかったのかな」
と残念です。