満足度★★★
役者の個性が活かされた演出
30代の役者達が結成した劇団で、それぞれが所属する劇団では上演することが無いシェイクスピア作品に挑戦し、戯曲に忠実でありながら個性を発揮していました。
出演者全員が楽器を持って登場し1曲演奏し終わったところから戯曲の冒頭シーンに接続し、最後の全員による歌と対称性を持たせた構成となっていました。序盤は少々堅い雰囲気でしたが、次第に物語自体の面白さと役者の個性的な演技の面白さが組み合わさり、喜劇らしさ楽しさが出ていました。
劇中で流れるBGMも全て役者達が生演奏していて、和やかな雰囲気がありました。もっと演奏する場面を増やして音楽劇的にしても良かったと思います。
鳥の名前にちなむ駄洒落や比喩表現が多く用いられているのに合わせて、鳥の鳴き声の効果音を沢山入れていたのが楽しかったです。
床と壁の全面に描かれた紅白のストライプが衣装にも反映されていて、カラフルでありながらも統一感のあるヴィジュアルになっていました。
ヴァイオラを演じた平岩紙さんが真っ直ぐな視線で悩みを独白する姿がチャーミングでした。道化を演じた竹口龍茶さんが役に嵌っていて、印象的でした。