満足度★★★
役者の個性が活かされた演出
30代の役者達が結成した劇団で、それぞれが所属する劇団では上演することが無いシェイクスピア作品に挑戦し、戯曲に忠実でありながら個性を発揮していました。
出演者全員が楽器を持って登場し1曲演奏し終わったところから戯曲の冒頭シーンに接続し、最後の全員による歌と対称性を持たせた構成となっていました。序盤は少々堅い雰囲気でしたが、次第に物語自体の面白さと役者の個性的な演技の面白さが組み合わさり、喜劇らしさ楽しさが出ていました。
劇中で流れるBGMも全て役者達が生演奏していて、和やかな雰囲気がありました。もっと演奏する場面を増やして音楽劇的にしても良かったと思います。
鳥の名前にちなむ駄洒落や比喩表現が多く用いられているのに合わせて、鳥の鳴き声の効果音を沢山入れていたのが楽しかったです。
床と壁の全面に描かれた紅白のストライプが衣装にも反映されていて、カラフルでありながらも統一感のあるヴィジュアルになっていました。
ヴァイオラを演じた平岩紙さんが真っ直ぐな視線で悩みを独白する姿がチャーミングでした。道化を演じた竹口龍茶さんが役に嵌っていて、印象的でした。
満足度★★★★
オープニングは,たのしげな管弦楽だった。
下北沢は,本田劇場の歴史もあって,たくさんの劇場がある。一か所にこれだけ多くの劇場がある例も珍しい。今回は,駅前劇場を初体験した。南口から正面の建物3Fに足を運んだ。小劇場とは呼べず,一番後ろの席からではやや遠景となってしまったが,オープニングは,たのしげな管弦楽だった。今回は,ここで,日本の30代による『十二夜』を観た。クリスマスから数えて,12日目の夜に何が起こるのか?
兄と妹は事情があって,生き別れになって相手の生存も確認できていない。このことが双子の運命を翻弄する。シェークスピアには,このような男装をした女の子の話はよくある。今回もそのような物語で幾分つまらないかと思ったが,これが結構よくできていたのには驚いた。たぶん,シザリオ(ヴィオラ)が素晴らしかったからだろう。この主役の熱演が光った。オスカー・ワイルドの小説に出て来る女性の話を少し思い出しながら,シェークスピアをどのような気持ちで演じているものだろうか・・・などと想像した。岩波文庫の解説についてはひととおり読んでいった。
この時代戯曲はすぐ舞台化されるが,出版にはずいぶん時間がかかった。そのために改作も多くて,内容もかなりちがったようだ。シェークスピアには37本の有名な作品が残っている。四折判(Quarto)と二折判(Folio)と区分でき,本作品は,最初の全集=First Folioに収録されている。時代背景としては,作家に対して圧力が下った頃であり,シェークスピアも神についての表現をおさえざるを得なかったという。なににしても,ヘンリー8世がローマ教会と決裂して以来,「火薬陰謀事件」などテロ未遂も身近であって,シェークスピアもピリピリしていた。
オスカー・ワイルドの小説というのは,『ドリアングレイの肖像』のことだ。この小説は魅力的なストーリーであるが,主人公が場末の劇場でシェークスピア女優の演技に夢中になる。彼は,その少女が生活のためにだけ演技をしていたことを知り落胆するが,ささいないきちがいから,彼女は捨てられたと思い遠いところに旅立ってしまう。駅前劇場で演じられたシェークスピアは,イメージ的にこの小説とかなり近い印象を得た。もしかして,あの日恋をした青年がシザリオ(ヴィオラ)の名演をあとかたもなく奪う・・・のだろうか。
満足度★★★★
30代は、
30代は若いエネルギーを維持しつつ、演技に磨きがかかっていく年代。そんな役者たちだけの舞台は期待通りの楽しく面白く、エネルギッシュで素晴らしいものだった。それぞれの個性も光っていて、特に、町田水城、延増静美、竹口龍茶が愉快だ(はまり役だったのかな?)。全員が楽器を持っての演奏もとても効果的だった。新たな試みを加えながら継続していってほしい。
満足度★★★
思ったよりは
シェイクスピアの話をやって面白いのか?そんな不安と疑問を持ちながら観てましたが、予想以上に楽しく観ることができました。
お話のおもしろみとちょこちょこと入っている笑の要素、なかなか楽しめました。
「3.5」という感じでした。
もうひとつパンチがあると、もっともっとおもしろいんだろうなぁ
満足度★★★
ニッサンの日に観劇
小田島雄志さんの訳で鵜山仁さんの演出。若手?役者が揃って、メイクは白塗りでやや誇張はあるモノの、衣装やセリフもいじる事なくブレのない真っ当な舞台でビックリ。
最後の歌まで徹底した、賑やかで熱のこもったお芝居だったが、面白可笑しかく単純に楽しかった。
観た日は偶然にも23日(ニッサンの日)シェイクスピアの命日でした。