ぺんぺん草 公演情報 浮世企画「ぺんぺん草」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ポイズン
    面白い。110分。

    ネタバレBOX

    マツエ(森啓一郎)…司法試験を諦め地元・合手内でライフバリュープランナーを起業、町長に当選する。表向きバイタリティ溢れる町長だが、密かに国政に向けて進み続ける。
    アスナ(鈴木アメリ)…マツエの妻。子沢山。
    アシデ(嶋村太一)…代々町長の家の長男。やりたいことよりも敷かれたレールを歩くような人生を送ってきた。
    サホ(今城文恵)…アシデの妻。色々我慢してきたがアシデが落選し、自分が必要とされていないとヒステリーになる。
    アリト(秋本雄基)…アシデの年の離れた弟。小説家志望のニートだったが、マツエのアドバイスで発電士となる。選挙時にマツエを応援しアシデから憎まれる。
    イロマス(松下太亮)…アスナの実弟。マスコミ業。マツエにおんぶの形で生きているが、マツエの影響力を支える。ドS。
    ヨタ(森田祐吏)…アリトの先輩。植木職人だったがマツエのアドバイスで発電士に転職。無免許事故で片足に障害を負う。
    ユリ(葛堂里奈)…ネットアイドル。イロマスの紹介で芸能デビューした。
    テオ(田所二葉)…町役場勤務。アシデとは古い付き合いでアシデが初恋の人だった。町長となったマツエと衝突する。
    ヒクロ(村上航)…地主。元小説家。自分の弱さを認めた。

    ヒクロの話から兄であり元町長のアシデに想いを伝えるアリトだったが、出て行けと一蹴されてしまう。くすぶっていたアシデだったが、妻の想いや弟へ想いをぶつけたことから一転、反マツエ派として再度町を二分する戦いに突入する。どちらに付くべきか迷うアリトに自分の小説「ぺんぺん草」を渡すヒクロ、というところで幕。

    マツエが妙に熱い言葉と演技で人の心を掴む序盤から橋○市長を想起させる弁論で町を動かし始める中盤、見えない気持ち悪さが感じられるいい空気だった。
    冴えない町に弁舌のたつマツエが新風を起こすが、その裏にある影に気づき始める人間も出てくる。アシデは腐り、サホもヒステリーになり、アリトはヨタの件で小説家を再度目指し始め、テオはアシデにボヤく。

    サホだったかテオだったかが言った「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」のとおり、理由はさまざまだけど言いたいことも言えない鬱憤が充満するストレスフルな状態から、人と人との心がぶつかりエネルギーが生まれていく過程が面白い。人の死を描くことなく生を鮮やかに描写した手腕がいい。
    半世捨て人なヒクロからちょっとだけマシと言われたアリトが、どんな生き方を選ぶのかを見せずして終わらせるとこもいい。

    110分あっという間だった。

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    2014/04/19 23:56

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