満足度★★★★
テーブルの上の銀河鉄道
劇団単体で宮沢賢治演劇フェスティバルを行うという企画もユニークだが
切り口を「銀河鉄道の多様性」と「賢治の言葉の音楽性」の2つに絞ったのが鋭い。
演劇と宮沢賢治の関わりを端的に表していると思う。
白木の長テーブルに並んだ食事の支度が美しい。
ミートローフやマッシュポテト(に見えた)、水、りんご、ミニトマト、皿とナイフとフォーク。
その周囲にレールがめぐらされ、おもちゃのSLが、かたかたと小さな音を立てて走る。
三方から囲んだ舞台奥には天井から白い布が流れていて、
まさに天の川という見立てに相応しい。
東北の豊かな恵みを食卓にのせ、自分はそこを鉄道で走り抜ける…。
死を問い続ける賢治を乗せた、はるか銀河への旅である。