満足度★★★★★
福谷くんという『毒』が蔓延している芝居だった。
福谷くんという『毒』が蔓延している芝居だった。
好きな女が、他の男にもヤれる存在で居るなんて僕には無理。
それにしても福谷くんの精神構造は一体どうなっているのだろうか?
最初に観た作品から一貫して、俯瞰の姿勢を感じる。
世界観を達観している感じがするのだ。
勿論、作った本人だからそれはあって当然のポジショニングではあるのだが、
いやそれにしても、
その魚眼ともいうべき世界の捉え方は面白い。
今回はそのターニングポイントになる地点に、
あるギミックを使用している。
ネタバレになるので少し控えるが、
その使い方がもっと際立った時に次の一手が見つかるかもしれないと感じた。
でも今以上に際立たせることが可能かどうかと考えて少し戸惑う。
ここまでやっただけでも十分、コロンブスの卵だ。
ではこれ以上のものを求めるのはいかがなものか?
しかしそれを乗り越える為の資質がある以上、
僕はそう書かざるを得ない。
勿論、観た後の気持ちが最悪なのは、
演劇的フルスイングによるものだ。
多重構造なる物語について回る宿命のようなものだ。
それにしても恐ろしい世代だ。
昨日、ご一緒した方も「23歳で早熟だねぇ」と言われていた。
早過ぎる熟成がもたらす光は一体どこへ向かうのか?
尽きぬ興味と、これからの期待を更に持たずにはいられない。