2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    川口ケレア。
    川口覚くんのケレアが素晴らしすぎて、色々思うものの彼のおかげで☆5つ。もう毎日でも観たい。あの広い舞台を隅々まで支配する存在感のクールさ。瞬き一つで空気が凍り、マントを翻して巻き上がる風でさえもがケレアの色に染まるよう。貴族に相応しい立ち居振る舞いは彼の演劇界における覇者の未来を想像させるに難くなく、揺れるピアスに色気さえ感じて、ああもう一瞬たりとも見逃したくない、素敵な素敵な役者さん・・・。彼がカリギュラを演じれば、一昨年のハムレット同様「勝ち」は明白なのですが、そこに内田くんを配して脇に覚くんや小久保くんを置くあたり、蜷川さんの『育てる』という目的が明示されていて、やはりこの劇団の志は高い、と唸らされます。周本さんのセゾニアもやはり絶品でカリギュラの残虐性に説得力を与えていて流石。彼女も大好きなのですけれど、今回オーディションで合格した安川まりちゃんも個人的には応援したい。

    ネタバレBOX

    覚くんの発する台詞の一つ一つが誠実さに満ちていて、その精神にとてつもなく共感されられます。「私は自分の中の彼に似たものを黙らせた」。その言葉がこの物語の全てで、登場人物も、観客もカリギュラの孤独に魅せられるのを必死に押し殺している。そんな気がします。

    そして、蜷川さんの空間を演出するセンス。78歳になってもここまで顕在かと驚かされます。素舞台に鏡の壁、シャンデリア。シンプルな照明で彩られる役者の美しいことこの上なく。初日と一週間後では内田くんのカリギュラが大きく進化。疲れもあるのか、追い詰められた眼差しが狂気を帯びていて、また一つの才能がさいたまネクストという劇団から出たことを嬉しく思います。ただ、もっともっと行けるはず。出来ればもう一回観たかったけど日がないです残念、、

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    2014/02/23 21:04

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