感心したのは
美術。
会場は、扉を開けると、女友達のアパートの部屋。
もう部屋そのもので、ソファーに、低いテーブルとクッション。
そのテーブルにつくような気分で地べた(座布団的なクッション有り)に座る。(後方は低い椅子に)
なんだか面白い。
ちょっと日常の世界と劇空間の融合で、何が目の前に提供されるのか楽しみになる。
そしてこの空間を見回して気が付いた。
この部屋、ギャラリー内に作った物だ。
本来はコンクリートの打ちっ放しの箱で、その中に建てつけてある。
その板間の感じが、都会からちょっと外れたアパート感が出ている。
部屋に掛けてある絵は、今回のチラシと、おそらくそれを描いた人の作品たち。
なかなか素敵。
さて、お芝居は…。
きっとそういう意図で、そういう演出だと思われる語り口調。
わたしの好みの演劇は、言葉を相手に届け、言葉を相手から受け止めることで、感情を伝え合う人間同士の作品。
そういう意味では、感情を乗せないようにして抑揚を最小限に抑えた台詞には違和感を感じる部分もある。
きっと俳優ではない方が入っているのではないだろうか。
主役の女性が、パジャマに着替え寝て、起きて着替えて、コートとマフラーを着用して出かけ、帰宅してコートとマフラーを掛けて、部屋で過ごし、パジャマに着替え寝る。
そのループを何度も繰り返す。
その何回かは、部屋で過ごす時間も一瞬で何も起こらないこともある。
ここに繰り返される日常を表現しているのだろう。
暴風雪のこの日。
台詞には「寒いわね」「雪が凄いわ」などのアドリブが入り、更に日常と融合させている。
夕飯はお鍋が食べたくなった。
いちばん感心したのはラストシーン。
この場所だからできたこと。
そしてこの大雪の日だから感じたこととも言える。
音響、照明を一人で担当していて、ちょっと大変そうでした。
受付をしていたこの女性が演出家さん?
主演の小角まやさんの健闘を感じた。
かさない…。
傘がないと浴びてしまう。
それは…雨?
それは…雪?
それは…雪玉?
それは…砲弾?