セントエルモの灯は揺らめく 公演情報 劇団みどり「セントエルモの灯は揺らめく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    優れたセンス
    「銀河鉄道の夜」の作品としての宙ぶらりんを、生き抜く次元に着地させた。

    ネタバレBOX

     公演成功の鍵は、無論、導入部のポリフォニックな入り方で、事実の多面的な展開を同時に示すことによって、真を隠蔽しているもの・ことが如何に多いか、例え、それが真を追求し続けた賢治の、同一作品に用いられている表現の、真を目指す表現に繋がるものであってさえ、異なる場所で使われた場合には、一度期には如何に捉え難いかを示し得たことにも現れていよう。
     即ち、導入部に於いて既に現在への移行を果たすべく、原作は解体されているのである。当然のことながら、以降は再構成という形を採ることになる。
     その上でカムパネルラと重なる裕也の遺体を、矢張りジョバンニと重なる文香が発見することが示唆されることによって、生き残った者と既に死んだ者が明確に対比され、次のステップ、即ち生を選び取る次元へ移行するのである。必然的に、この移行はスムースだ。

    0

    2014/01/19 01:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大