満足度★★★★
瑕もあるが総じて珠で満足
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の少年たちを男女高校生に置き換えた作品。
原作から部分を抜粋したリーディング風な冒頭に続く「地上パート」は原作を巧みに翻案して見事で(←ザネリによるイジメとかバイト先とか)期待が膨らむ。
がしかし、銀河鉄道内のパートは(割愛はあるものの)原作に忠実で、人物を置き換えたことが全く活かされていないのが残念と言うか勿体ない。
せっかくなのだから車内で出逢う人物たちも翻案すれば良かったのに。(←幼い命を救うために自らの命を犠牲にした人物とか自殺した高校生とか)
さらに冒頭の下校時の電車にしても銀河鉄道にしても「走っている車輛内」に思えないのが惜しい。
(余談だが「銀河鉄道の夜」の舞台化でゴトンゴトンというS.E.を使うことが多いが、幻想四次空間を走る鉄道もそんな音を立てるのだろうか?(笑))
そうして迎えるラスト、原作では「止め」にあたるカムパネルラの父の語りがなく、どう着地させるのかと案じていたら卒業式の日に飛び、灯籠を流して和解するジョバンニとザネリで締め、これまた見事。これ、ある意味原作の補完じゃん?
あと、銀河鉄道内の鳥捕りを見てジョバンニが「(バイト先の)店長に似ている」言う楽屋落ち的なところも実は好み。
…と、以上のように観ている時点で好きなところと個人的に「勿体ない」ところとがじゃんじゃん涌いてきて我ながらビックリ。
そんな風にいろいろ考えながら観ることができたので、その意味では大変面白く、次回公演も観たいと思わせて頂けたワケさ。
満足度★★★★
無題975(14-014)
14:00の回(快晴)。13:40会場着、受付(名前がありませんでした…前夜、23時頃予約を入れたためか…)、13:58前説(110分)、14:03開演〜15:47終演。
依然として「銀河鉄道の夜」を読んでおらず…何作か観ているので部分的には知っているものの…ウィキペディアであらすじをチェック。
主演の田中さん好演、真っ直ぐなところがとてもよい、「銀河鉄道」に寄り添うように創られた作品。
田中さんは、2/2(日)、「全国新人舞踊公演 ダンスプラン2014」に出るそうで、ちょうど検討中でしたので行ってみようと思います。
◆2/2追記 田中智子さん。17:50のダンス公演@スペース・ゼロを観てきました。本作とは全く違った印象...天使のようでした
照明の池田さん、「凹(生活図鑑、2013/9)」でもお名前が。
満足度★★★★
真摯なテーマ ◎
千秋楽を観劇。家庭環境、友人関係、将来への不安。様々な悩みを抱えた少女が、『銀河鉄道の夜』の世界に迷い込み、そこでの体験と幼なじみの死を通して”自分自身の生き方”と真剣に向き合う姿を描いた成長物語。
未成熟さは感じるけれど真摯でとても好感が持てる作品だった。
主人公の少女、文香の純粋でひたむきな姿が特に印象的だった。
上演時間:1時間45分