セントエルモの灯は揺らめく 公演情報 セントエルモの灯は揺らめく」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    瑕もあるが総じて珠で満足
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の少年たちを男女高校生に置き換えた作品。
    原作から部分を抜粋したリーディング風な冒頭に続く「地上パート」は原作を巧みに翻案して見事で(←ザネリによるイジメとかバイト先とか)期待が膨らむ。
    がしかし、銀河鉄道内のパートは(割愛はあるものの)原作に忠実で、人物を置き換えたことが全く活かされていないのが残念と言うか勿体ない。
    せっかくなのだから車内で出逢う人物たちも翻案すれば良かったのに。(←幼い命を救うために自らの命を犠牲にした人物とか自殺した高校生とか)
    さらに冒頭の下校時の電車にしても銀河鉄道にしても「走っている車輛内」に思えないのが惜しい。
    (余談だが「銀河鉄道の夜」の舞台化でゴトンゴトンというS.E.を使うことが多いが、幻想四次空間を走る鉄道もそんな音を立てるのだろうか?(笑))
    そうして迎えるラスト、原作では「止め」にあたるカムパネルラの父の語りがなく、どう着地させるのかと案じていたら卒業式の日に飛び、灯籠を流して和解するジョバンニとザネリで締め、これまた見事。これ、ある意味原作の補完じゃん?
    あと、銀河鉄道内の鳥捕りを見てジョバンニが「(バイト先の)店長に似ている」言う楽屋落ち的なところも実は好み。

    …と、以上のように観ている時点で好きなところと個人的に「勿体ない」ところとがじゃんじゃん涌いてきて我ながらビックリ。
    そんな風にいろいろ考えながら観ることができたので、その意味では大変面白く、次回公演も観たいと思わせて頂けたワケさ。

  • おもしろかった!
    はじめての劇団でしたが、すごく素敵な舞台でした!
    また見に行ってみたいと思います!

  • 満足度★★★★

    無題975(14-014)
    14:00の回(快晴)。13:40会場着、受付(名前がありませんでした…前夜、23時頃予約を入れたためか…)、13:58前説(110分)、14:03開演〜15:47終演。

    依然として「銀河鉄道の夜」を読んでおらず…何作か観ているので部分的には知っているものの…ウィキペディアであらすじをチェック。

    主演の田中さん好演、真っ直ぐなところがとてもよい、「銀河鉄道」に寄り添うように創られた作品。

    田中さんは、2/2(日)、「全国新人舞踊公演 ダンスプラン2014」に出るそうで、ちょうど検討中でしたので行ってみようと思います。

    ◆2/2追記 田中智子さん。17:50のダンス公演@スペース・ゼロを観てきました。本作とは全く違った印象...天使のようでした

    照明の池田さん、「凹(生活図鑑、2013/9)」でもお名前が。

    ネタバレBOX

    学校の前後にアルバイト、現金を渡そうとする…のはちょっとどうかなと感じました、ないことはないのでしょうか、またお姉さんはどうしているのでしょうね。

    相手役の男子はもうすこしハツラツとした(誰からも好かれる+明るい)性格にしたらどうだろうなと思いました。

    思いを込めた灯篭を流すことによって死者を弔うものではないかと…
  • 満足度★★★★

    真摯なテーマ ◎
    千秋楽を観劇。家庭環境、友人関係、将来への不安。様々な悩みを抱えた少女が、『銀河鉄道の夜』の世界に迷い込み、そこでの体験と幼なじみの死を通して”自分自身の生き方”と真剣に向き合う姿を描いた成長物語。

    未成熟さは感じるけれど真摯でとても好感が持てる作品だった。

    主人公の少女、文香の純粋でひたむきな姿が特に印象的だった。

    上演時間:1時間45分

    ネタバレBOX

    『銀河鉄道の夜』の幻想的な世界(陽)と現実世界(陰)の”差”がもう少し明確に表現出来たら、もっと良くなったのかなぁと感じました。
  • 満足度★★★★

    優れたセンス
    「銀河鉄道の夜」の作品としての宙ぶらりんを、生き抜く次元に着地させた。

    ネタバレBOX

     公演成功の鍵は、無論、導入部のポリフォニックな入り方で、事実の多面的な展開を同時に示すことによって、真を隠蔽しているもの・ことが如何に多いか、例え、それが真を追求し続けた賢治の、同一作品に用いられている表現の、真を目指す表現に繋がるものであってさえ、異なる場所で使われた場合には、一度期には如何に捉え難いかを示し得たことにも現れていよう。
     即ち、導入部に於いて既に現在への移行を果たすべく、原作は解体されているのである。当然のことながら、以降は再構成という形を採ることになる。
     その上でカムパネルラと重なる裕也の遺体を、矢張りジョバンニと重なる文香が発見することが示唆されることによって、生き残った者と既に死んだ者が明確に対比され、次のステップ、即ち生を選び取る次元へ移行するのである。必然的に、この移行はスムースだ。

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