満足度★★★★★
観に来てよかった!
前回公演で気にはなっていたが、都合つかず今回初見。
小さい新聞販売店の作業場と事務所、2階には六畳一間?の和室。
ほとんど初めてみる役者さんばかりなので、出だし、どういった役割か探りながら見ていたが、男の日常を取り巻く環境と心情の揺れ動くさまに次第に重い気持ちになったり、他愛ない話で一瞬表情が崩れる時もあったけど、その後の展開にやるせなくなったり。
彼と周囲の人の関わり方、揺れ動く感情につい舞台の世界に入り込んでしまった。
彼等90年代のアイドルはやっぱりあの人たちだよな、選曲ですぐにその時代背景がわかってしまう。
出演者にそれぞれ出番があったけど、笑いの要素を入れようとしたバイト面接のやり取りは特に必要とは感じなかったかな。
定時制だったかな、あの学校の先生はどこまで彼の事を知っていたのだろう。
隣のバイト君の笑わせ方が、早口、がなる、リフレイン、で、いかにも関西のノリの笑わせ方だなーと思った。
役者陣、全員素晴らしかったけど、新聞屋店長と元担任教諭の千葉さんが特に良かった。
明るい話ではない。
彼は全部受け入れて、誰にでも謝って、それでも生きて行かなきゃ行けない。罪の十字架を背負ったまま、彼の赦しの時間は果てしなく長い。あんなに重苦しい歓喜の唄を聞いたのも初めてだ。
あり得ない話でもない所にまた気が重くなったが、熱のこもった素晴らしい舞台に惹き込まれた。約2時間。