満足度★★
リミックス サラ・ケイン
このユニットが3年間に渡って取り組んで来た、サラ・ケインの『クレンズド』を、同じ作家の他の戯曲も引用しつつリミックスし、普通の台詞を用いずに歌とダンスで展開する70分程度の作品でした。
床一面に薄く水が張られ、時間を置いて滴が落ちて来る舞台の中で、静かでゆっくりな動きながら緊張感のあるパフォーマンスが繰り広げられ、所々にちょっと変わった雰囲気の歌が入る構成でした。
日本語は数曲の歌詞で用いられるだけで、他の歌詞や舞台上で書かれる文章(殴り書きで読めませんでした)は英語、フランス語、イタリア語だったので、言葉としての情報はほとんど分かりませんでしたが、身体表現から切羽詰まった雰囲気が伝わって来て、独特の美しさがありました。
下手にテレビが置かれ、隣の部屋に置かれたベンチに座るパフォーマー達の下半身が映し出されていましたが、その意図が分かりませんでした。
出演者や過去のクレンズドプロジェクトの作品を観た人にとっては通じても、今回初めて観る人には抽象的・断片的過ぎて不親切な内容だと思いました。しかし、安易に笑いや派手な表現を用いていなかったのは良かったと思います。