コンセプトは「観客を楽しませる!」百家争鳴 怪盗ショー
開演が25分間遅れたっていい。機材トラブルでアフター•トーク イベントを逃した女性客がいても、「…25分も待たされちゃったよ。いきなり蛍光灯がつくしさ…」といった一言(アドリブ)が、この場しか光らないプレミア感である。
どうやら連続シリーズだ。「怪盗」14人は、キャラクター設定も華々しい。ただ、例えば「夜の0時 を迎えると記憶を失う」少年怪盗がいる。初めて観劇した者は “ちんぷんかんぷん” だろう。生写真や記念チェキを宣伝するだけあり、イケメン揃い だ。リピーター客が多いから、キャラクター設定の背景を省いたとすれば、観客へ対する配慮が足りなかったと言わざるをえない。
一方、これも指摘する必要がある。殺陣のシーンは、鮮やかで、この上なく躍動していた。ドラマ性のある音響とハーモニーを奏でたのだ。ミス(剣と剣を付き合わせる場面で、逸れてしまう)こそ 見受けられたが、殺陣を繰り広げる時間は無駄ではなく、大きな価値があった。
私が未だ疑問充満中なのは、オープニングに他ならない。なぜ、湾岸道路とか、日本の地名が登場するのに、登場人物は外国人設定なのか。そこはリアリズムでもよかったはず。その後の、島を舞台にした、お姫様を巻き込むサスペンス政治劇と比べ、作風の統一性が足りなかった。「東の国家」「西の国家」王族同士の結婚から発展する、「お宝」争奪戦…。
とはいえ、殺陣のシーンはエンタメ力であろう。漫画『ONE PIECE』をも彷彿させる、魅力的なパフォーマンスだ。