Be My Baby いとしのベイビー 公演情報 加藤健一事務所「Be My Baby いとしのベイビー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ほんわか楽しいけれども、
    それだけではない、裏に、人間の業や性も垣間見れる、ちょっとシビアな部分もあるのが、なかなか洒落た戯曲でした。

    加藤義宗さんは、10代の初舞台の時から、拝見していますが、このところ、舞台経験を積まれて、安定した演技のできる俳優さんに成長されたなあと、嬉しく思いました。それに、声がとても素敵!

    NLTでのご出演が最近滅多にない阿知波さんは、やはりこういう役は、安心して拝見できます。東宝ミュージカルでは、度々拝見していますが、こういうコメディのストレートプレイでのご活躍も、もっと観たいと思いました。

    お父様の加藤さんも、伸び伸び楽しげに演じていらして、その楽しさが、客席にまで伝染するような雰囲気でした。

    世の中、暗いニュースだらけで、将来への不安も増大している折、こういう心がほっこりとなれる芝居は、気持ちが救われます。

    ネタバレBOX

    阿知波さんの花嫁姿が、とても可愛くて、印象的でした。

    若い二人が、安易に里子を希望して、親代わりの、ジョンとモードに、その子を迎えに行かせる間、最初、気が合わなかったジョンとモードは、赤ちゃんへの愛情を介して、心が急接近するのに、反対に、新婚夫婦のクリスティとグロリアには、隙間風が吹き始める。

    その二組のカップルの心の移ろいが、好対照に描かれて、なかなか味わい深い戯曲でした。

    自分達の都合で、子供の行く末を、まるで、物のように気軽に考える若夫婦の言動には、最近の日本の幼児虐待や、子育て放棄などを連想し、ちょっと背筋が寒くなる瞬間もありました。

    単なるハートフルコメディではない、シニカルな視点もあってのライトコメディなんだと理解しました。

    最初、反りが合わなかった、ジョンとグロリアが、プレゼントをお互いにする度に、距離が近づいて行く様子は、本当に、心が温まる素敵なシーンでした。

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    2013/12/09 03:41

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