青春ガチャン 公演情報 My little Shine「青春ガチャン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    誰も人の死と関わらずには生きていけない事を再実感
    タイトルから「青春」まっさかりのようなものを想像してました。
    一部把握しているキャストからも「若さ体当たり!」みたいな舞台なのかな、と。
    そして実際観劇してみて思ったのは、本舞台は「青春の1つの節目」に
    当たるものを描いているのかな、と。

    笑いネタてんこ盛りながらひさしぶりに鼻をすすってしまう
    (涙のせいで)という非常に良い舞台でした。
    (パンフで脚本家の方が「10年前に書いた作品」と言ってましたが、
    細かい部分を現代風にアレンジしている事もあり、
    古さはまったく感じませんでした。)

    ※ ただしこれだけは【内容】の方に書かせてもらいます。
    観劇される方は迷わず前席を取って下さい(時間通りに行けば多分取れるかと)。
    はっきりいってもったいなすぎるのが、
    舞台が客席側センターに向けて下る段差式で作られ
    そこが演技のメインとなるのに対して、
    客席の段差がなさすぎて3列目の自分ですらメイン部分での演者自体、
    およびその表情がほとんど見えませんでした
    (前の人が特に背が高いという訳でもないのに)。
    多分、周りの多くの人たちも同様だったのでは?

    序盤はそこに落胆したものの「観えない部分は想像力で補完しよう、
    声で演技は分かるから(我慢しよう)」と思えるぐらいに
    お話の良さに助けられたと思います。

    舞台をあと50cm高く作ってたらなあ・・・
    あるいは自分迷わず最前列取るべきだったかなあ・・・

    ネタバレBOX

    (すいません、お話自体が結構「動いた」事もあり、
    かなり長文になってしまいました。)


    ネタバレするとして、(自分も)序盤の結構各演者バラバラな「動き」から
    中盤以降それぞれのお話がまとまっていくまでを
    一度整理しなければなりません(序盤が結構難しかったので)。
    (人名は覚えられなかったので勝手に呼称。)


    ・ 1人猫と戯れる男(「主人公」)

    ・ バンドのメジャーデビューが決まり忙しいにも関わらず(「バンド女」)、
      友人女子(「ヒロイン」)と更に別の元ファミレス仲間友人(「おまじない女」)を
      誘い合コンをセッティング
      (ヒロインはここ3ヶ月何十回と合コンを繰り返している)

    ・ 待っていたのは、大学の(?)同級生達で
      ヒロイン「なんだよー、こいつらかよー」と。
      3人の男、それぞれ
      (バンド女の彼氏、「気配り上手男」)
      (元バンドメンバー、ヒロインに想いを寄せていた「元バンド男」)
      (合コンを拒んでいた、人間スペック的にみんなに対して引け目を感じ
      ちょっと浮いてる「パズドラ男」)

    ・ (場面変わって)
      主人公の名前を呼びながら、
      「ずっとお前に助けられる度に引け目を感じてた、さびしかった」
      「でもお前がいなくてもやっぱりさびしいんだな」(「ヒッキー男」)

    ・ (更に場面変わって)
      主人公がヒロインに
      「水族館に行きませんか?イルカのショーってすごいんだよ」
      と告白シーン、告白を受け入れるヒロイン

    ・ (舞台が合コンに戻る)
      猫が合コンに乱入し、ヒロインの指輪を盗んで逃げてしまう。
      そして追いかける一同。

    と、ここまでではまだ少し人間関係が見えた(ように見える)だけで
    お話は全く見えません。


    そして突然、猫が主人公に話しかけてきます、そして語りだす現実。
    (ここから先は順不同ですいません、自分も雰囲気重視で観た事もあり、
    流れ全部覚えてないので)


    (3ヶ月より前の過去に戻る)
    2つの場面
    1.バンド女、元バンド男、そして主人公(作詞も担当していたらしい)の
      3人のバンド、
      主人公とヒロインが付き合い、そして結婚を誓い合った事を知り、
      (元バンド男は少しくやしさもあるのでしょうが)
      主人公達をひやかします。主人公まさに幸せの絶頂。

    2.ヒッキー男とパズドラ男、そしてもう1人「ブス子」(アダ名)という
      3人組はとても仲良し(この3人でいる時だけパズドラ男も
      ヒッキー男も自分をさらけ出せる)で、
      今日もヒッキー男が気に入っているという女の子(おまじない女)が
      いるファミレスへ。

      実はおまじない女はパズドラ男の事が好き、という事実を
      (空気で察したブス子はいち早く撤退)
      バンド女経由で知ってしまうヒッキー男、
      そのショックから逃げ出し、パズドラ男の必死の言葉にも
      耳を貸そうとしません。


      そして、、、
      その状況にたまたま通りがかった主人公、
      「(ヒッキー男に)ひさしぶりだな、最近会えてなかったけどお前大丈夫か?」
      とヒッキー男をなだめようとしますが

      ヒッキー男「もうお前に助けてもらいたくなんかないんだよ!」
      と強く主人公を突き放します(※突き飛ばす訳ではない)。

      そこへたまたま猫を避けた車が突っ込んで来て・・・
      主人公はあっけなく死んでしまいました。


    序盤演じられた今までの場面、実は猫は見えても主人公は誰にも
    見えていなかったという・・・


    そして、
    ・ 主人公の死んだ原因は自分にある、と自分を責め続け
      引きこもってしまうヒッキー男
    ・ 主人公の死で何かが切れてしまったかのようにバンドを辞める元バンド男
    ・ 主人公の事を忘れようと、合コンを繰り返すも、いつも
      虚しさしか残らないヒロイン
    という状況が序盤の背景でした。


    猫は主人公に悪い事をしたと思い、主人公に自分(猫)の身体と
    不思議な力(「シェー」のポーズで相手に「なんとなく」意志を伝える事が
    出来る)を与えます。


    と、この流れだときっと主人公(猫)が、
    猫の身体と「シェー」を使って各人の問題を解決していくお話かな?
    と先を想像したのですが、わたくしごときに想像できるような
    単純な持っていき方ではありませんでした(お見事です)。


    公園にて猫から指輪を返してもらい誰にともなく
    「どうすればいいんだろうね」と泣くヒロインに対して、
    つい「シェー」してしまおうとする主人公、
    この場面は元バンド男がちょうど現れて「シェー」中止。


    そして猫が主人公に、
    「今なんて言おうとしたの?生きてる人に対して死んでる
    あなたが何を言おうとしたの?」
    というような結構厳しいお言葉(詰問?)。


    自分は「えー、折角力を与えておいてそのツッコミかよー、
    じゃあお話はどこへ向かうんだ!?」
    とちょっと心の中で脚本家さんにツッコミたくなりました。
    が、もちろん「何も用意してない」なんて事はありませんでした。


    その間にも
    ・ 元バンド男は「ずっとお前が好きだった」とヒロインに告白、
      ヒロインはそれを「今すぐはあなたの気持ちに答えられない」と断る。

    など色々な事がありますがすいません、この辺全部は覚えてません。

    ・ (過去に戻って)主人公がヒロインに指輪をプレゼントするシーン、
      この辺だったかな?


    この次の大きな流れは、最初過去話として何気なく振られた
    バンド女「あなたの後ろに霊がいるよ」(これは元バンド男にだったかな?)
    が実は伏線で、合コン中およびヒロインに指輪を返すまでの流れ全てで、
    実はバンド女だけは主人公が見えていた、という事実。


    バンド女は「独り言だけどー」と猫と会話を始めます。
    そして主人公(死者)の想いを聞きます。


    この場面が主人公の決意につながったのだと思いますが、
    どういう変遷だったのかはすいません、忘れてしまいました。


    で、場面変わって
    ずっと家を出ないヒッキー男の為に毎日家に通い買い物をしてやり
    「あの事故はお前のせいじゃないよ」とはげまし続けたパズドラ男、
    それに対して「もういいんだ。そうだ、この遺書をゴミ箱に投げて
    入らなかったら死ぬ」とヒッキー男は自殺を考えます。


    そして、突然現れ大家から鍵を借りて部屋に入るパズドラ男とブス子、
    そしてブス子は自殺を止めようとしたのではなく、
    好きだった彼との仲がおかしくなり、浮気され、暴力まで振るわれ、
    という状況に「自分も死にたい」と。


    そしてパズドラ男も
    「おまえら2人がいないんじゃ俺が生きてる意味もないよ!
    失敗したら自分も死ぬ」と。

    そして(ここら辺は想像ついてましたが)、
    ヒッキー男の投げる遺書を主人公(猫)がキャッチし、ゴミ箱へ。

    3人「猫が、、、奇跡だ!」


    また場面変わって、

    以前の場面で猫、そしてヒロインを探していたバンド女に対して、
    手で絵の構図を見るように枠をつくり飛行機をその中にとらえて
    おまじない女「このおまじないが10回成功したら願いが叶うの!」
    と、KY(といっていいでしょう)な発言、
    それに対して、バンド女は
    「あんたはヒロインの事じゃなくてずっと飛行機を探してたの!」とキレます。
    (まあ、空気からいって当然です、おまじない女空気読まなすぎです)


    その事に対して、突然また手で枠をつくり
    おまじない女「これで10機目だ、、、
    お願いします、神様、(バンド女)ちゃんと仲直りさせてください!」

    (空気読めないままだったらパズドラ男との事を願っていただろう、と思う所)
    友達との友情をお願いします。


    それらを観ていた主人公がとうとう「シェー」を・・・
    (すいません、多分話の順間違ってると思います、先に「シェー」したかな?)


    主人公「死んでる俺も頑張ってるんだから、過去とか未来とかの事ばかりに
        とらわれないでお前らも今を頑張れよ!」(みたいな事を)
        (過去、今、未来の関係については、確か猫がこれまで何度か
        伏線として差しこんでました。)

        追記.
        「多分、生きてる奴らの問題は、生きてる奴らで頑張って解決しろ」
        って事なのかしら?と今更思ったので追記します。


    みんなの心に、何かが届いた。


    そしてバンド女がヒロインに電話で「猫に主人公が憑いている」と教え、
    ヒロインは猫を探しそして見つけますが、その時には主人公は既に
    猫に身体を返し「あの世(消えてしまう?)」へ向かうという・・・


    ヒロインは聴こえるかどうか分からなくても主人公に対して
    「私頑張るから!今までありがとう!」というような事を叫び続けます。


    そして暗転、これで「~ Fin ~」かな?
    序盤から考えてうまくまとめたなあ、と感心していたら、
    ここで本当の最後の場面が。


    かなり昔

    主人公がバンドメンバー達に対して
    「昔単細胞生物だった時、生命は死ななかったんだ。
    でもある日ある単細胞が他の単細胞とくっつこうと考えて
    そして生命は進化を得た。そして、同時に死も得たんだ。
    多分そいつはイルカだったと思う、あいつら寂しがりだから」
    とイルカに絡めた話をします。
    (※書き忘れましたが、主人公は度々イルカネタを投げています、
    イルカ好きなんでしょうね)


    こういう形で「死」について締めくくり、それぞれが
    主人公の「死」(という節目)をやっと受け入れて
    これからを歩み始めるんだなあ、と。


    長文すいません、1時間50分という短い時間にしては
    結構盛り沢山ネタ沢山でオチもうまく考えられた話だったと思います。
    (書いてませんが、笑いネタがとにかくバンバン差し込まれました。)


    PS.
    【内容】の方で座席/舞台の視覚的な事についてきつい事を書きましたが
    ・ 各席に座布団用意してくれてたり、
      遅れた人用に?入り口周辺席を空けておいてくれたり、
      「舞台開演後、照明でかなり部屋が暑くなるので」と
      暑い/寒いという人がいないか聞いてくれたり、
      と制作/運営サイドはかなり気を使ってくれていたと思います。

    ・ Wキャストなんでしたね、そういえば。
      3人ぐらい入れ替わるようなので、もう1つの舞台が
      どう変わってくるのかも観てみたいなあ( ´ー`)

    ・ ヒッキー男のゴミ投げのシーン、主人公がキャッチに
      失敗したらどうするんだろう?(簡単な事もプレッシャーがすごいだろうから
      ミスもありえますよね)
      「何事もなかったように拾って入れるのかな」、とは思いつつも
      ・ 3人そろって死んでしまうというショッキング展開
      ・ あるいは思い直し
        「これからあいつ(彼氏)を、これからあいつを、
        殴りに行こうかー(チャゲ&飛鳥)」
      的な展開に持っていくんだったらこれまたおもしろい、と妄想してしまいました。

    ・ そうそう書き忘れ。
      「青春ガチャン」の「ガチャン」はなんなんだろうなあ?と思ってましたが、
      主人公の死によって、一度みんなの青春/人生が
      壊れてしまった、という意味の擬音表現だったのでしょうか?


    本劇の観劇は役者さんからのお誘いメールでしたが、
    今度は無事良作を観せてもらえたので良かったです。
    (以前、別の役者さんからのメールの時、怒りに我を忘れた感想を書いたので( ´ー`))

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    2013/10/26 20:07

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