満足度★★★★★
客入れ時、支線ガード下の舞台に響く
アヴェ・マリアの声。観終わって「ああ、こういうことだったのか」とこの曲を選んだ歌手の方のセンスに脱帽。素晴らしい導入で、無理なくきれいに劇に繋がり、しかも終わった後、しみじみとこの曲が選ばれた理由を噛み締めることができた。お芝居の素晴らしさは言うに及ばず。安定感のある達者な演技とテンポよく聞き易い台詞、温かい涙を誘うストーリー、「現代の世話物」の名に恥じない素晴らしい舞台でした。コメディの要素もたっぷり、笑いあり涙ありですが、全く悪達者な感じがしないのもこの劇団の品格だと思います。衣装もすごく良かった。劇中、それぞれの女性が自分が一番きちんとしていると信じるドレスを着ているのも、各人の人生を感じさせますね。飲み屋のマダムの衣装、八掛の紅絹が効いていて(腰巻も!)鮮やかでした~。細かいところにも注意が行き届いていて、劇全体のクオリティを高めていたと思います。