満足度★★★
盛り沢山な笑いと毒
人間のダークな面を喜劇的に描いた作品で、4人の役者の素晴らしい演技が本多劇場の広いステージと2時間以上の上演時間を満たしていました。
関西でお笑いコンビを組んでいる幼馴染み2人の片方が結婚することになり、そのすぐ後に母が亡くなることによって家族のねじれた関係が明らかになって行く物語で、一軒家の庭先でテンポ良く展開して引き込まれました。どのキャラクターも可愛いらしい一面と恐ろしい一面を持ち合わせていて、笑いと毒がバランス良く描かれていました。
関西弁で喋る4人の演技が濃密で、台詞回しや間の取り方が魅力的なだけでなく、高い所に上ったり妙な歩き方をしたりと身体能力を活かした身軽な動きも素晴らしかったです。
初演、再演、今回と同じ役を演じ続けている広岡由里子さんのはっちゃけた演技が見事でチャーミングでした。
(おそらく)テレビや芸能人にまつわるネタが多くて、その辺りの話題に疎いので、周りが笑っているのに面白さが分からない所が多かったのが残念でした。固有名詞に乗っかった笑い(あと、下ネタもかなり多かったです)よりも、シチュエーションによって起こるおかしみをもっと見せて欲しかったです。