兄弟ノート 公演情報 劇団ヨロタミ「兄弟ノート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    同化
     ヨロタミ。この名前からでも庶民に寄り添うタイプの芝居を作るということが伝わって来そうだ。寄ろう民がヨロタミになったのではないか、と勝手に思っている。手法で言えば同化を用いるということになろうか。自分の好みとしてはブレヒトなどに代表される異化を狙う手法がより好みではあるのだが、力のある劇団であることは間違いない。(追記2013.9.6)

    ネタバレBOX

     今作で明良を演じた大和田 悠太のリアル、長男を演じ作・演出の坂本 直季の内向的だが誠実でひたむきな姿、西村 誠一役の寺林 伸悟が演じる、会社を背負う男の見せる苦悩、宮本 博克役の勝又 保幸は、直季の実父でありながら、複雑な関係を作り出してしまった男としての覚悟を示し、けじめをつけようとする顔の作るなど、光る演技は多い。基樹役の金藤 洋司も神経の細いキャラをいい味で出していた。宏海役の水谷 千尋も性同一障害を抱えるキャラを暗くなり過ぎない形に纏めていたし、守役の河嶋 健太も守の好人物ぶりを良く伝えていた。また純太郎を演じた大矢 三四郎も特殊な好みを持つキャラの味を嫌味にならない形で出していて好感を持った。母親役の五十嵐 さゆりは、微妙な人間関係を歩きぶりや楚々たる態度で示すなど質の高い演技をしており、それぞれが、それぞれのポジションにあった良い演技をしている。結果、観客は、物語の哀調に捉えられ、涙を流すことになる。
     無論、ここに名前を挙げなかった演者もきっちり自分の役割を果たしている。全員が各々のポジションをキチンと見、ちゃんと役割を果たしているからこそ、これだけの舞台が成り立っている。
     だが、と自分は思う。これは、好みの問題なので、演技などよりは、自分の生き方、人生の選択の仕方に関わるのだろうが、泣くことで慰めたり、慰められたりということに溺れてしまっていいのだろうか? と。これだけ、アメリカに蝕まれ、タイプの異なる原爆を2発も落とされた上、被爆者はモルモットにされ、更にはF1でこれだけの事故を起こしておきながら、只、湯を沸かす為だけに、更に多くのリスクを負い続ける「国家」経営を唯々諾々と受け入れる愚か極まる為政者と官僚、企業と御用学者、司法、マスコミの癒着と嘘、隠蔽体質等々の問題を毎日嫌という程見せつけられながら、泣くしかないのか?と。 

    1

    2013/09/05 12:10

    0

    0

  • 遅くなりましたが、ご観劇ありがとうございました。

    劇団名のヨロタミは、「ヨロしくタのミます」が語源です。(なので、前説のご案内事項の結びは、毎回「よろしくお頼み申し上げます」のフレーズが入ります)
    とはいえ、おっしゃる通り我が劇団は少しでも多くのお客様には、分かりやすく楽しんでいただける芝居作りを目指しています。

    また、人とは恐ろしい面も多々ありますが、だからこそ人の温かさ表現したいと思っています。
    分かりやすい表現が必ずしも最良だとはおもいませんが、よろしければまたご観劇ください。次回公演は2月を予定しております。またのご来場、心よりお待ちしております!

    2013/09/16 13:16

このページのQRコードです。

拡大