臆病な町 公演情報 玉田企画「臆病な町」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    上演時間約100分、体感時間80分
     タイトルと内容は無関係。チラシのあらすじと本編のストーリーは全く別物。
     カーテンコール無し。
     卓球部の合宿に来た男子中学生4人と、顧問のおっさんバツイチ教師。
     温泉旅行に来たOLコンビと、うち1人にたかってヒモ暮らしを送るアラサー無職のろくでもないその彼氏。
     同じ宿に泊まった2組が交わって起こる小騒動を描いた口語劇的日常劇。
     この種の劇ってそんなものなのかもしれないが、100分という上演時間に見合ったボリュームは感じられず、体感的には80分くらいの印象。笑えるいっぽう冗長さも感じられた枕投げのシーンや“いいキャラ”の教師によるお説教シーンを縮め、最後の見せ場にもっと時間を割くべきだったか?
     そうすれば腹八分目くらいの満足感は得られたはず。
     こじ開けた口に無理やり食べ物を注ぎこんで満腹にするような劇よりもこの種の劇のほうが好みとはいえ、腹七分目で劇場を後にするのはやっぱり忍びない。
     カーテンコールを加えただけでも満足感はいくらか上がったと思うのだが…。
     刻一刻と変化する感情を手つきや表情をコロコロ変えて細やかに表現していた墨井鯨子さん、ロクデナシを迫真の演技でじつに生々しく演じてみせた海津忠さんをはじめ、皆さんの演技にぜひとも拍手を送りたかっただけに、カーテンコールの割愛は惜しまれた。
     カーテンコールに持ち込めないほど重い劇というものもあるけれど、本作はそこまで重くもなかったことだし、あえてやらない意味が見出せない。

    ネタバレBOX

     転任が決まった教師にあの手この手で謝意を伝えて感動を与えようと生徒達が夜おそくアポなしで部屋を訪ねると、教師はナンパしたOLコンビと酒盛り中。妙な空気が流れる部屋へ口論のすえ自分をフったOLを探しにロクデナシまでが乗り込んできて、生徒ら一同が見守るなか「あんた、他人(ひと)の女と何してんだよ!」と教師に詰め寄る最後の修羅場は見もの。
     ただ、ロクデナシの怒りが過熱し状況が重くなるほど可笑しみも増していくという名場面をせっかくこしらえたのだから、ここは一つ、ロクデナシにもっと暴れてほしかったところ。
     バルブとしては、OLコンビを引っかけたことからほの見えた教師の下心をズルズルと引きずり出して欲しかった。
     教師がこっそり用意した2つのコンドームが枕の下から見つかり、ロクデナシがさらに教師を問い詰めたあげく殴り倒すようなシーンがあっても良かったか?
     子供たちが気まずそうにそれを見ていることによって大人の修羅場が喜劇に変わるこの場面のこと、上記のようなことが起こればこのシーンはさらなる笑いを呼び込んでもっともっと盛り上がった可能性も。
     ともあれ、初見だったこともあり、この団体を正しく評価することはまだ不可能。評価するのはもう1、2作観てからにしようと思う。
     というわけで、3つ星は純粋に作品に対する評価です。

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    2013/08/31 03:32

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