癒し刑 公演情報 ガラス玉遊戯「癒し刑」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ドーピング
    面白い。

    ネタバレBOX

    頭につけると記憶を変えてストレスを感じなくなる(やる気が満ちてくる)機器による治療を行っている診療所。

    緒方(園田裕樹)…医師。娘を亡くしたショックから機器をつけている。自分の罪を人のせいにして生きてきたことを自覚する。
    緒方の妻(立蔵葉子)…娘の件でずっとふさぎこんでいたが、小野田と話を繰り返して生きる力を取り戻す。
    神原(星野恵亮)…患者。機器をつけてハイになるが、そのせいで事故り寝たきりに。
    神原の妻(菊地奈緒)…夫の復活を喜ぶも、竹内に指摘され機器を外すが、結局機器に頼ることに。
    上野(菊地未来)…患者。機器に頼りつつも、竹内の言葉を認め、職場のギスギスを改善しようとする。
    小野田(松下仁)…患者。緒方の娘を救えなかった。機器を外し、緒方妻と対話することで回復を見せる。
    竹内(ヒザイミズキ)…ライター。機器の効果(デメリット)に疑問を持つ。上野にじき機器は使えなくなると宣告する。

    落語のマクラのような、世間話風の導入。林剛央のタバコ確認ボタン話で客をちょっとイラっとさせてから始まる。

    日常的なイライラもそうだけど、大きな心的外傷(トラウマ)を負った際の立ち直り効果が抜群の機器で、ぜひ欲しいなと思う。反面、危機を認識する能力が低下するというマイナスもあり、記憶の書き換えという恐ろしいものもある。
    院長みたいな向井(林)と竹内の対立のように、どっちが正しいのかっていいトコついてくる難題を、変にややこしくすることなく描いたとこが良かった。95分で短さも○。

    近未来医療SFな題材で、「ストレス」にさらされ続ける現代人の心にヒットした。機器を生きるドーピングと表現したが、それが機器でなくて人であればベターなのかなと思った。

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    2013/08/25 17:43

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