極東の地、西の果て 公演情報 TRASHMASTERS「極東の地、西の果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    見ごたえあり
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    トラッシュマスターズの【極東の地、西の果て】を観劇。

    休憩なしの3時間15分(二部構成)だが、見応えがあり過ぎて、時間の長さを全く感じさせないのがこの劇団の特徴だ。

    ある芸術学校の設立から肥大して、そこから九州を日本から独立させて独立国を築き、日本の間違った政策、抱えている借金、アメリカとの問題、世界での日本の位置を正そうとしていく。そんな理想的な新しい国作りも、アメリカとそれに追随している日本には叶わないでいる。それでも九州人たちは新しい国づくりを理想的な形で再度築こうとしていく。

    前作の【背水の孤島】では3.11を描き、今作はTPP問題を起点にして、日本の食の自給率の低さとアメリカの関係を描いている。誰もが分かっていながら目をそむけている自給率の低さとアメリカの関係を事細かに描いており、観客さえも「そうなのかぁ?」とうなずいてしまうほど大変な問題を日本は抱えている事をメッセージとして描いている。メッセージ性が強いのは確かだが、そこには確固とした物語が備わっており、そこから観客に時間をかけて納得させていく芝居の見せ方、戯曲の上手さには圧倒されてしまう。それも決してドラマチックな戯曲ではなく、芝居もストレートプレイという手法と使ってである。だから劇としての感動はやや薄いのだが、観劇後、観客は問題点を認識して帰路に向かうのは間違いないのである。
    ただ清水邦夫を好きな僕としては、劇的要素が欠けているのにはやや不満だが、トラッシュマスターズの手法なので認めざる得ない。
    まぁ、毎回お尻が痛くなる3時間以上の芝居だが、次回作も観る事は確実だ。

    今作はお勧め。

    0

    2013/07/28 14:08

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大