舞台の力で、この国の「野球部」を変えよう
「そびえたつ俺たち」、この劇団は、重量感を持った火山灰のような集団である。
明らかなコメディを進めた一方、序盤の高校生がマージャンを囲うシーンは 台詞など用意されていたとは思えない雰囲気だった。
彼らの、親ー教師ラインに隠れながら満喫する世界を、これほど等身大に演出してみせた 舞台が あったか。
彼らの杯を取る手つき一つひとつ に、吸ってないはずのタバコの煙が立ち込めるのである。
劇場にスモッグを焚き、それを演出するのではなく、私たち観客 自身が 造り上げてしまう現象は、「落語」としかいいようがない。
体格の大きさ が野球児でないことは、誰の目にも分かってしまう事実だろう。この点だけで、「重量感」が 備わる。
しかし、「そびえたつ俺たち」は、キャスト=球児たち の気力でそれを乗り越え、コメディで 逆転ホームランに変換した。
体格的に不向きな球児たちが集結すると、メッセージ性の基盤でもあるイケメン球児の魅力が増す。
昨年2012年の とやま文化総体で高校演劇の1位を獲得(事実上)したのは、青森県の高校演劇部だった。
題材は、野球と、ゴースト部員を巡る、東日本大震災の舞台だった。コメディでもある。
「そびえたつ俺たち」のメンバーは、この舞台を知ってるのか。
「筋書きにないドラマを、筋書きに沿って描く」
その先にあるのは、甲子園ではない。コメディである。
ゴースト部員の登場が唐突だったことは否めないだろう。
オープニングを観ると繋がる場面は あったものの、もっと簡素かつ明瞭な構成にするべきだった。
2013/07/16 02:23
そびえたつ俺たち代表のトウドウタクミです。
「観てきた」にたくさんご記入くださってありがとうございます。
麻雀のシーンですが前半の数分は完全にアドリブです。
あれは4人がちょいちょい集まって麻雀をしているような雰囲気を出す為にそうしましたがどうだったでしょうか。
高校演劇は私の不勉強で知りませんでした。
おそらく座組の誰一人知らなかったのでは、と思います。
大学演劇なら付き合いで観に行く事もあり、少しはわかるのですが。
高校演劇までチェックされてるお客様に評価して頂いてものすごく光栄です。
主人公をベースに、と言う意見もいくつか御座いました。
そうした方が観やすい、わかりやすいとは理解できるのですが今回は自分のやりたかった事を優先させて頂きました。
結果、実力不足でカバーできなかったのは不徳の致すところです。
今後しっかり勉強させて頂き、再び劇場に足をお運びいただけるよう精一杯頑張ります。
貴重なご意見をありがとうございました。
そびえたつ俺たち代表
トウドウタクミ