グッドバイ 公演情報 バストリオ「グッドバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    舞台芸術の新潮流の一つを観る
    バストリオは、メンバーが遊園地再生事業団(宮沢章夫氏の
    演劇ユニット)に客演したり、参加していて気になってました。

    この間の『ユリイカ』の特集で、佐々木敦氏がナカゴーや
    ブルーノプロデュースらと一緒に注目の劇団としていたのが
    今回の鑑賞に直接つながった形です。そうか、こういうのが
    最先端を行く「演劇」「舞台芸術」の一つなんだ、と、腑に落ちる
    部分がありました。

    ネタバレBOX

    本作の元となった太宰治『グッドバイ』(新潮社)は、不勉強
    ながら未読なのでハッキリとはいえないですが、そこから
    台詞を拾って、自分たちの言葉と有機的に結び付けることで
    多分、太宰の時代から私たちが生きる時代まで変わることの
    ない「グッドバイ」の持つ意味を一本にまとめ上げようと
    試みたんだと思います。

    時折挟み込まれる劇団側で作った台詞は少し壮大で、感傷的で、
    そしてロマンチックだと思いました。多分、書いた人は
    純粋な人なんだと思う。「人は死んだら、重量だけがそこに
    残る」という台詞は、真実を衝いていて面白い、と感じました。

    SNACの、内部だけでなく、外まで縦横無尽に使って行われる
    舞台は、ただただすごいな、と。SNACの前って、普通に人が
    通っているし、現にじろじろ見られていたし。役者にとっても
    負担にならなかったのかな。

    人の動かし方や小道具の扱い方に、遊園地再生事業団、もっと
    いうと、宮沢章夫氏の影響は見て取れますが、かなりの部分、
    物語性を排除しているため、演出の自由度は飛躍的に高まった
    反面、なかなか観ている側の感情を揺り動かして、引き込むのは
    難しいのでは、と感じました。

    時間が約70分ということでしたが、そういうこともあって、実際には
    2時間の舞台を見せられたような気がしました。そこが何とかなれば。。

    本作を評価する、ある一つの指標となっている佐々木氏の
    『批評時空間』(新潮社)もまだ未読なので、それを読んだ後、
    再度、この作品を考え直していきたいと思います。

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    2013/07/06 00:09

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