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断色~danjiki~
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公演情報
ヴィレッヂ「
断色~danjiki~
」の観てきた!クチコミとコメント
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unicorn(1870)
満足度
★★★★★
灰色な母と子
面白い。DVD出たら買いたい。
ネタバレBOX
北(ジジババばかりで子の生まれない荒れた地域で保や刈谷の生まれたとこ)・中央(栄えてる)・南(保の菜園がある)という呼ばれる地区割りのできた近未来設定。クローン技術も確立されてる。
保(堤真一)の母・朝子(麻生久美子)が死に、(移植のために作られた?)そのクローン・夕子(麻生)を「解放」することにした保。借金チャラのため、借金取りと寝ては淋病伝染される夕子に戸惑いながらも、クローン会社の刈谷(田中哲司)とともに、父や朝子と暮らした実家へ移る保だったが…。
保…色盲。実はクローンであるが、夕子が死んで思い出した。酒飲みの父から「クローン」と蔑まれ殺されかけたところを朝子に助けられる。父の記憶や朝子の記憶が定まっていなかった。実際の保は、朝子の絵を描いた健常者。
朝子…保の母。乳がんを患い、夕子から移植を受けた。保(クローン)を守るため父を殺した。産業医とデキていた。母であり女であった。
夕子…朝子のクローン。殺されるために生きてきたが、「解放」されたことにより「生(性)」に目覚める。下ネタが豊富。保の母にはなれないと知りつつ、借金取りと寝たり刈谷と寝たりし、保との生活を守ろうとする。保をオカズにシテいる。女であり母であった。
刈谷…クローン会社勤務。北出身のラストチルドレン。貧しい地域で生まれ、親からの愛情も乏しかったのか歪んでいる。
クローンである保の記憶障害の効果もあってか、朝子夕子の切り替えが絶妙。子を守る母と、母との思い出にすがる子の描き方が秀逸。クローンって設定とか、舞台には現れぬ父の存在とか、研ぎ澄まされた効果がビシビシ響いてくる。
舞台設定で名言されていないけど、転換時の黒子の衣装が放射能防護服でもあり、放射能事故での社会の崩壊が示唆され、そこから派生した貧困による家庭の崩壊と人間が生まれ持ったサガのドロッとした感触が伝わってくる作品だった。
3人ともいい演技だった。麻生の美人さがハンパでなく、女性性と母性が溢れるような演技が冴えてた。田中のマッドな演技もいい。
チラシイラストのように気味悪い話でもあるが、クローンという非人間を配置し、ナマの人間を浮かび上がらせ、そこに光を当てるような(そう希望を持ちたくなるような)舞台だった。
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2013/07/04 01:00
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