『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』 公演情報 アマヤドリ「『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「千両みかん」/「屋上庭園」
    それぞれ、アイディアが面白い。

    ネタバレBOX

    「千両みかん」

    古典落語の演目を二人の役者が演じる。

    <あらすじ>
    上方の呉服屋の若旦那が急な患いにつき、
    「明日をも知れぬ」状態となった。
    医者に見てもらった結果、
    「気の病」で何か心の悩みが解消すれば治るのではと言われる。
    旦那は息子の若旦那を救うため、
    番頭に若旦那の悩みを聞き出すよう命じる。
    番頭は渋る若旦那を言いくるめ、白状させると、
    若旦那は一言、「みかんが食べたい」と告げる…

    ちょっと後に調べたら、
    落語の話自体に東京と上方で違いがあるという。
    (今回は上方版の話)

    通常の落語では、一人で複数人を演じるが、
    今回は二人。

    しかも役柄を固定せずに、
    同じ役を入れ替わり演じ分けたりもする。

    ただの会話劇というより、
    落語そのものを二人で演じ分けたという印象。

    面白かったのは、役者の位置取り。
    会話劇のように相手と向き合って話すことはほとんどない。
    互いに正面を切ったり、その場に応じた、
    その場を表すような位置取りが、面白い演出だと思った。

    中村早香さんが良かった。
    落語自体が昔の言葉、口調で作られたもので、
    彼女から発せられる台詞が軽快で楽しい。

    全体的に動きも忙しく、身体を使ったものもあるが、
    そこもやはり軽快で飽きない。

    「屋上庭園」

    岸田國士原作の短編。
    貧しい並木(糸山和則)とその妻(榊奈津美)、
    並木の友人で裕福な三輪(沼田星麻)とその妻(毛利悟巳)の
    二組の夫婦の会話劇。

    面白いのは、衣装。
    この二組の夫婦の違いを衣装で見ると、

    単純に裕福な三輪は白いシャツ→ホワイトカラー。
    貧しい並木は青いシャツ→ブルーカラー。

    で階級の違いを表しているように見えた。
    それぞれ妻も夫と同じようにシャツが同じ色、
    スカートが逆の色で青と白のコントラストが綺麗だった。

    もしかしたら、他にも意味が込められているのかもしれない。

    スタジオ空洞が基本まっさらなスタジオなので、
    ブロックを置き、板を渡して色々な場所に見立てるのが
    シンプルな半面、役者の動きが大変そうだった。

    三輪の親切を出来るだけ遠ざけようとし、
    卑屈な感じを妻の前だけにさらけ出す
    糸山和則の醸し出す陰の雰囲気が残った。

    0

    2013/06/28 14:07

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大